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日本人が知らないリアル中国ビジネス 江口征男

ブランド力がモノを言う中国消費市場で
日系企業が捨てなければならない“こだわり”とは

江口征男 [智摩莱商務諮詞(上海)有限公司(GML上海)総経理]
【第64回】 2012年1月10日
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中国消費市場は
「商品力」より「ブランド力」

 中国の消費市場では「良いもの」よりも「有名なもの」が売れる。つまり、中国で商品やサービスを販売するためには、商品力以上に「知名度」や「ブランド力」が重要となる。そしてその知名度やブランド力を手に入れるためには、かなりの「カネ」と「時間」が必要になるというのは、中国ビジネスの常識である。

 そんな中国消費市場に進出している多くの日系企業は、良くも悪くも「マーケティング」よりも「商品力」を優先しているため、うまくブランド作りができていない。中国で日系企業が使う広告宣伝費は、競合となる欧米・中国ローカル企業と比べて1桁以上少ないことも珍しくない。

 その結果として10年以上中国でビジネスを続け、比較的資金力がある日系大手企業ですら、「ブランド力」に関しては、欧米企業、中国ローカル企業の後塵を拝しているのが現状だ。

 そのような状況のなかで、後発かつ投資できる資金に制約がある日系の中小企業が、中国でゼロから自社商品・サービスのブランディングを行い、ヒットを狙うのは、(よほど中国でニーズがあり、かつ競合と差別化されている商品・サービスを除き)ビジネスというよりは、博打に近い行為とも言えるだろう。

過信は禁物!中国へは
胸を借りるつもりで進出せよ

 では、これから中国に進出する(または進出して間もない)日系中小企業には、中国消費者市場でビジネスを拡大するチャンスはないのだろうか。

 もちろん、日系中小企業にも中国で勝てるチャンスはある。大相撲で舞の海が活躍したように、曙や武蔵丸でなくても、自分よりも大きく力のある相手に勝つことは可能だ。しかしそのためには、まず自分が曙や武蔵丸ではなく舞の海である(=ガチンコで戦ったら不利である)ことを認識した上で、知恵を絞って戦い抜く必要がある。

 日本である程度成功した中小企業経営者の中には、このことを忘れている方が少なくない。実際に後発ながら中国市場で急速に成長している企業の事例を見ていると、(日系中小企業でも活用できる)中国市場の攻略法があることが分かる。今回はその中の1つである「コバンザメ戦略」について紹介しよう。

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江口征男 [智摩莱商務諮詞(上海)有限公司(GML上海)総経理]

1970年、神奈川県横須賀市生まれ。横浜国立大学大学院工学研究科修了、Tuck School of Business at Dartmouth MBA。Booz & Company, Accentureなどの経営コンサルティング会社、子供服アパレル大手のナルミヤ・インターナショナルを経て、中国にて起業。上海外安伊企業管理諮詞有限公司(Y&E Consulting)、(株)MA PARTNERSの創業経営者でもある。
⇒GML上海ホームページ執筆者へのメール


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世界経済の牽引役として注目を浴びる中国に進出する日本企業は、後を絶たない。だが、両国の間に横たわる「ビジネスの壁」は想像以上に厚い。今や「世界一シビアな経済大国」となった中国で日本企業が成功するためのノウハウを、現地コンサルタントが徹底指南する。

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