上司がいくら口頭で注意したりアドバイスしたりしても、デキないのに自信満々の部下の心には響かず、行動が改善されない。そんな場合は、理解不足がわかる客観的な証拠を出して、部下に気づきを促しつつ、仕事力の向上を図ることがポイント(写真はイメージです)

 仕事ができず初歩的なミスの多い部下が、なぜか自信満々で、いくら注意やアドバイスをしてもなかなか本人の心に染み込んでいかない。つまり「デキない部下の方が自信たっぷりで、デキる部下の方がなぜか謙虚で不安が強い」――そう感じることはないだろうか。実は、そうした声は多くの職場で聞かれる。

自信満々な部下に
手を焼く営業部長

「私の部下のB君なんですが、売り込み先に一緒に行った時、説明資料を使って相手に売り込むのですが、その説明が結構いい加減なんですよ。相手から質問されても、なんか質問内容とズレた説明をするんです。その場は、私が補足説明をして何とかしのぎましたが、いつもこんなふうなのかとわかり、呆れてしまいました」

 これまでB君が担当している取引先を調べていくと、あまり成果が出ていないのだが、その理由がわかった。その都度B君に事情を聞くと、

「先方は、○○にはあまり興味がないようでした」
「担当者は呑み込みが悪くて、こっちのセールスポイントをなかなか理解してくれなくて、ホントに困りました」
「どうも予算面で厳しかったみたいです」

 などと言っていた。だが、今回同行したA部長には「B君の成果が出ないのは説明の仕方に問題があったのではないか」と思えてきた。

 そこで、A部長は会社に戻ってから、説明不足だった点をいくつか指摘し、もっと事前にしっかり準備しておくようB君に注意せざるを得なくなったのだが、どうにもA部長の言葉がB君の中にスッと入っていかない。「自分もそう思ってる」といった感じで軽く同調するばかりで自分を振り返ることがなく、「これじゃ改善されないな」と思わざるを得ない。何を言っても、B君は