大事なのは、まず「残業代込み」の給与にすること

社員7人の町工場が「残業ゼロ」「全社員年収600万以上」「増収増益」を達成した、働き方改革とは?町工場の全社員が残業ゼロで年収600万年以上もらえる理由』(吉原博・著/ポプラ社・刊)好評発売中!

「残業ゼロ」を目指すなら、私はまず給料を「(これまで支払っていた)残業代込み」とすることが必要だと思っています。具体的には、それまでに支払っていた残業代と同じ水準の金額を、固定給に組み込むのです。

たとえば、過去に平均で毎月50時間分の残業代を支払っていたなら、それを固定給に組み込みます。また、残業そのものもすぐにはゼロにはできないでしょうから、当面は徐々に減らしていくようにすればよいでしょう。もちろん、仕事が終われば残業せずに帰っても構わないものとします。

その後、社員の能力を見ながら、20分、30分と残業を減らしていきます。こうしたステップを踏めば、売り上げや社員に支払う給与を変えることなく残業を減らせます。そうやって、最終的に「残業ゼロ」を目指すのです。

残業せずに帰る人が増えれば、会社の中で「残業をしている人は仕事が遅い」という認識が生まれます。また、残業が減っても給料が減らないので社員の不満も出ませんし、これまでと同じ給料を短い労働時間でもらえるので、社員が能動的に残業を減らすようになります。
そうして、「仕事ができる人=早く帰る人」と社内を変えていくのです。

この結果、吉原精工は「残業ゼロ」を達成するとともに、「全社員年収600万以上」「増収増益」となったのです。

(続く)

■著者紹介
吉原 博(よしはら・ひろし)

株式会社吉原精工会長。1950年鹿児島県出身。高校卒業後、電機会社に勤務。その後、商社や金型製作会社を経て、1980年に同社を創業。2015年より現職。
当初はブラック企業だったが、経営改革により、社員7人ながらも「完全残業ゼロ」を達成。その取り組みが「2016年度厚生労働省働き方改革パンフレット」への事例として紹介される。これを機とした日刊工業新聞での記事で大きな注目を集め、『おはよう日本』『クローズアップ現代+』(以上、NHK)、『日経トップリーダー』(日経BP)、日本経済新聞など、多数のメディアで紹介される。また、残業ゼロ以外にも「年3回の10連休」「ボーナス手取り100万円」などが話題になる。著書に『町工場の全社員が残業ゼロで年収600万年以上もらえる理由』(ポプラ社)がある。