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China Report 中国は今

岡田武史・前日本代表監督を引き抜いた中国サッカー
“壊滅状態”からの立て直しは「百年の計」か

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第91回】 2012年1月13日
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 澤穂希選手がFIFAバロンドール賞を受賞した。日本が世界の頂点に立てることを証明した日本女子サッカーだが、世界の視線はこの短期間に急成長を遂げた日本のサッカーに集まる。中国は今、日本からそのノウハウをどん欲に吸収しようとしている。

岡田氏が中国1部「杭州緑城」監督に就任
外国人選手・監督に触手を伸ばす中国マネー

 2011年12月、サッカーの前日本代表監督である岡田武史氏が、中国のプロチームの監督に就任したことは大きな話題を呼んだ。中国1部リーグのチーム「杭州緑城」と来シーズンの監督を引き受けることについて、年俸1億5000万円(推定)で契約を結んだという。

 中国サッカー界では昨今、潤沢な資金力を武器に、海外の有力選手や監督の買収に余念がない。中国メディアは「金持ち中国、岡田武史を奪った次は、仏ジャン・ティガナ」と伝え、その直後、「上海申花」監督に元フランス代表MFのティガナ氏が就任したと報道した。

 アルゼンチン出身でブラジルのフルミネンセFCでプレーしていた攻撃的MFダリオ・コンカ選手、フランス出身でかつて英プレミアリーグ得点王にも輝いたFWニコラ・アネルカ選手もその対象となった。「深セン紅鑽」の監督は、元日本代表監督のおなじみフィリップ・トルシエ氏だ。2011年8月には元スペイン代表監督のホセ・アントニオ・カマーチョ氏が中国代表チームの監督に就任している。

 岡田氏がこの契約に至る2ヵ月ほど前の10月18日、国家体育総局の蔡振華副局長率いる中国サッカー界代表団が東京を訪れた。過去十年近くにわたり訪日を繰り返してきた中国サッカー界だが、実は今回、その顔ぶれは以前と違っていた。視察団として東京を訪れたのは、中国政府の上層部、国務院研究室、教育部、発展改革委員会など関係者11人。地元紙は過去にない「異例のメンバーだ」と、その緊張感を伝えていた。

 日本での5日間のスケジュールの中では、日本サッカー協会の主席である小倉純二氏と面会したほか、Jリーグの責任者を訪問し、浦和レッズを訪問し、東京都立駒場高校のサッカーを見学している。そして、文科省とも接触を持った。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


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90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

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