応用言語学や脳科学、教育心理学などのアカデミックな研究では「外国語学習の機会が、子どもの知力やIQを高める」といった知見が蓄積されつつある。本連載では、発売直後から立て続けに増刷が決まった元イェール大学助教授・斉藤淳氏の最新刊『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』から一部抜粋して、「世界のどこでも生きていける頭のよさ」を育てるための英習メソッドを紹介する。

「英語が目に飛び込む部屋」をつくろう

前回の記事では「まず『音』から入って、文字と音とを結びつけていく手段」としてフォニックスをおすすめしました。実際、フォニックス動画のほとんどは、アルファベットや単語を併せて表示するものがほとんどです。
子どものなかには文字情報に敏感な子もいますから、いつのまにかそれらの文字を映像的に記憶していることがあります。「お母さん、おっきなPの看板があるよ」と言ったり、「あそこにCATって書いてあるね」と文字を読み上げたりして、親を驚かせることもあるかもしれません。

この段階では文字を通じた学びに力を入れる必要はありませんが、フォニックスが少しずつ定着してきたら、徐々にアルファベットや単語に親しませていくのもいいでしょう

たとえば、室内にアルファベットや英単語のポスターを貼るのも効果的です。トイレの壁に貼ってみてもいいですし、濡れても平気なお風呂用のポスターもあります。お風呂は声が響きますから、子どもも発音を楽しみやすくなります。

子どもの気に入るデザインのポスターがいちばんですが、できればカナルビのないものを選ぶようにしましょう。せっかくフォニックスによって音が定着しかかっているので、カタカナ読みで子どもを混乱させないようにします。

なお、こうした英語教材は、オンライン書店やECサイトを使えば、地方に住む方でも簡単に入手することができます。品揃えの豊富さという点では、次の英語教材の専門店が日本トップクラスです。東京・飯田橋の実店舗のほか、オンラインストアもあります。

▼ネリーズ
http://www.nellies.jp

文字に慣れてくると、子どもは目に入った文字をなんとなく読み上げるようになります。テプラなどを使って、身の回りのものに英単語のスペルを貼りつけてみましょう
J PREPキッズの教室でも、たとえば水道の蛇口には「faucet」とシールが貼ってあります。やりすぎは禁物ですが、子どもが身の回りのものと英単語とを徐々に結びつけていく環境づくりも、お母さん・お父さんにできることの一つです。