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今週の週刊ダイヤモンド ここが見どころ

繁栄か、破滅か――。
中国躍進の象徴“東莞”は今

週刊ダイヤモンド編集部
【12/01/21号】 2012年1月16日
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「躍進の象徴」はいずこ?
見捨てられた機械と工具

 やっとたどり着いた工場の前では100人もの若者らが輪をなし、物々しくあたりの様子をうかがっていた。玄関先には赤い旗が掲げられ、「民工血汗銭」と書かれている。

 正しい意味はわからないが、穏やかでないことだけは否応なく伝わってくる。要は「血汗を流して働いた給料を払え」と訴えているのだ。

 昨年12月末、中国輸出業の中心地、南部広東省の東莞(トンガン)市を訪れた。市といっても、神奈川県と同じぐらいの広大な面積を持つ。

 道すがら、数日前に経営者が夜逃げした工場があるという話を聞きつけ、商店主やタクシー運転手に聞き込みを繰り返し5時間、なんとか工場を見つけ出した。

 玄関に近づくと、女性作業員たちが地面に座り、毛糸の編み物に精を出している。アスファルトがはがれた地面には薄いゴザが不格好に敷かれており、冬も深まるなか、野外で夜を過ごしていることを知る。顔を上げると、輪をなしていた若者数人に囲まれていた。

 「何をしているんだ」

 「いや、あのその、通りすがりの者です」

 通訳が勝手に、気持ちを的確に代弁してくれる。聞けば、経営者が使いを密かに工場に送り込んでいないか、監視しているという。

 工場は「意志高紙品廟」という香港の製紙会社が経営。経営者は東南アジアへの輸出で名を成し、「相簿大王(アルバム王)」として知られる業界の有名人だったらしい。近年は経営危機が逼迫し、アルバム王は12月9日に突如、作業員500人を一時解雇し、数日後に夜逃げしたのだという。

 「工場の中に残る機械を売れば、作業員の給料ぐらい払えるはず。それまではここを動くつもりはない」

 10年働いたという女性作業員の徐さんが力を込めた。

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