アマゾンの物流をうわべだけ真似た日本企業が火傷する理由Photo Reuters/AFLO

今や、通販ビジネス界の"巨人"となったアマゾン。そのサービスレベルは極めて高く、どの企業も追いつくことはできない。アマゾンジャパンでサプライチェーン部門とテクニカルサポート部門の責任者を歴任し、現在は株式会社鶴代表の林部健二氏に、アマゾンの強さの秘密と、日本企業はどのように立ち向かっていくべきなのか解説してもらった。2回目の今回は、物流戦略を具体的に見ていこう。

アマゾンが “巨人”になったのは
物流にケタ外れの投資をしたから

 書籍の通販からビジネスをスタートさせたアマゾン。サービス開始当初の1995年、本を1冊売っても利益は200円程度であるにもかかわらず、アマゾンの創業者ジェフ・ベゾスは倉庫に100億円の投資をしていた。

 そう、今の姿になるまで成功した秘密は、2018年1月11日付けの「アマゾンと日本企業の物流には『大学生と小学生』の差がある」でも触れたように、物流への投資がケタ外れであることだ。