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金融市場異論百出

雇用改善でも追加緩和を検討
住宅市場の低迷に焦るFRB

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2012年1月18日
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 12月の米雇用統計は顕著な改善を示した。しかし、その発表直後にダドリー・ニューヨーク連銀総裁は、「追加緩和策の導入を検討し続けることは適切だと私は信じている」と述べた。FRB幹部は新年に入ってから、住宅市場の改善が米経済復活のカギとのキャンペーンを活発化させている。住宅売買が活発になる春に住宅ローン金利が上昇すれば、FRBはMBS(モーゲージ担保証券)の大規模購入策を開始して金利上昇を抑制するだろう。

 1月4日、FRBは上院と下院に「米国住宅市場:現状と政策課題」と題するレポートを送付した。差し押さえ物件の増大、以前よりも借りにくい住宅ローンの問題、住宅金融公社のフレディマック、ファニーメイの財務危機、に対処するため税金を大胆に投入すべき、という主張がなされている。

 住宅市場に政府がより大規模に介入しなければ力強い景気回復を実現できない、というFRBの焦りは理解できるものの、米国の保守派は元来「大きな政府」を嫌っている。FRBの提言はオバマ政権の見解を代弁したような政治的色彩を帯びているため、大統領選挙の年としては危うさをはらんでいる。「ウォールストリート・ジャーナル」紙は「FRBは自ら独立性を弱めた」と社説で批判した。

 ところで、最近、米国の住宅市場への中国人の投資が活発化している。「南方周末」紙(12月30日)によると、広州のある雑誌編集長は、2010年末に親が売却したマンションの資金で、ボストンに13万ドルと7万ドルの家を購入した。家賃が毎月1300ドルと700ドル入ってくる。8年半程度で投資元本を回収できるという。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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