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田中秀征 政権ウォッチ

「第三極」への高まる期待は
“与党ぼけ”自民党への失望感から生まれている

田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
【第119回】 2012年2月2日
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 野党・自民党が実にふがいない。“与党ぼけ”とでもいうのか、未だ野党としての腰が定まっていない印象を受ける。

 それは、世論調査結果にはっきりと示されている。民主党や野田佳彦内閣への支持率が下落しても、一向に自民党の支持率は上がらない。民主党と仲良く低迷しているのだ。このままでは、両党が道連れとなって滅びの道を歩くことにもなりかねない。

このままでは
じり貧に陥る自民党

 自民党の“与党ぼけ”現象は、さまざまな重要課題への対応に表れているが、とりわけ消費税増税問題に関して顕著になっている。

 おそらく、自民党は2つの立場を同時に貫こうとして苦悩しているのだろう。

(1)1つは、政権を担当していた当時の主張の制約を受けていること。

 自民党は、小泉純一郎政権後に、一貫して消費税増税の必要性を強調し、野党になってからの参院選でも「消費税10%」を明言してきた。それも、世論を納得させる行政改革案を提示せずに突っ走ろうとしてきた。

(2)もう1つは、衆議院総選挙を勝ち抜かねばならないこと。

 衆議員議員の任期は来年8月に満了。政局の展開次第では今年の4月、5月の解散もあり得る。それに対して、どのような姿勢で臨まなければならないか。(1)よりもはるかに困難な問題だろう。

 ところが、どうやっても(1)と(2)は両立しない。それを必死になって両立させようとしているが必ず徒労に終わるだろう。その結果、自民党はじり貧に陥ることになる。

主役は自民党から民主党へ
しかし、脚本・演出は財務省のまま

 自民党がぶざまな様相を呈しているから、国会論議は、意地悪合戦のようになっている。

 野田首相が、施政方針演説で自民党政権当時の首相たちの“与野党協議”に関する発言をあげつらえば、谷垣禎一自民党総裁は、民主党政権の公約違反を非難して、野党に「協力を呼びかける資格はない」と断言した。

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田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]

1940年長野県生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒業。
83年、衆議院議員初当選。93年6月、新党さきがけ結成、代表代行。
細川政権発足時、首相特別補佐。第一次橋本内閣、経済企画庁長官。
現在、福山大学客員教授、「民権塾」塾長。


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かつて首相特別補佐として細川政権を支えた田中秀征が、期待と不安に溢れた現政権の動向を鋭く斬り込む週刊コラム。刻一刻と動く政局をウォッチしていく。

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