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田中秀征 政権ウォッチ

質的に大きく変化した「第三極」への期待
政権を担える“新党”は本当に誕生するか

田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
【第120回】 2012年2月9日
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 新党問題への関心が日毎に高まっている。

 これに関して、5日発表のフジテレビ(新報道2001)の世論調査で、興味深い結果が出ている。

 予想通り橋下徹大阪市長が目指す新党に大きな期待が集まっているのだ。橋下新党が中心となる政権への支持が何と33.6%に達している。

 それに対して、「民主党政権、または民主党を中心にした連立政権」への支持は、わずか8.6%に過ぎない。また、「自民党政権、または自民党を中心にした連立政権」も15.0%にとどまった。

 ひと頃、支持が高かった「民主・自民の大連立政権」も11.8%と隅に追いやられている。

 だが、一方で、「既成政党が分裂・政界再編した新たな枠組みの政権」には22.8%の支持があり、「石原都知事や橋下大阪市長などによる新党中心の政権」への支持が前述の数字である。

一本化された新党結成の可能性は低い
星雲状態のまま衆院選突入か

 この調査結果はかなり衝撃的だが、決して意外ではない。

 この世論調査結果には、今までと違う顕著な世論の動向が示されている。

 それは、“第三極”や“新党”に対する期待の大きな質的な変化である。

 今までは、既成政治を活性化させるための補助的役割が、新党の出現や第三極の伸長に期待されてきたが、この調査結果では、政権担当や連立の中心になることを期待するに至っている。言わば、二大政党が共に政権政党として失格の烙印を押されたに等しい。

 これで、新党結成、政界再編は確定的な状況になったと言ってよい。しかも、世論の傾向は、この方向に向かって加速度的に進み、戻ることはないだろう。

 しかし、世論を納得させる質の高い新党が本当にできるのだろうか。最近の新党への動きを見ていても、未だそれを確信させる状況にはなっていない。

 橋下市長は、最近になって新党結成を明言したが、彼自身が国政入りするかどうかは未だ判然としない。

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田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]

1940年長野県生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒業。
83年、衆議院議員初当選。93年6月、新党さきがけ結成、代表代行。
細川政権発足時、首相特別補佐。第一次橋本内閣、経済企画庁長官。
現在、福山大学客員教授、「民権塾」塾長。


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かつて首相特別補佐として細川政権を支えた田中秀征が、期待と不安に溢れた現政権の動向を鋭く斬り込む週刊コラム。刻一刻と動く政局をウォッチしていく。

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