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日経平均を捨てて、この日本株を買いなさい。
【最終回】 2012年2月17日
著者・コラム紹介バックナンバー
藤野英人

誰が「投資信託」をダメにしたのか 
日本の99%のアクティブ投信が買えない理由

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いい会社を応援して株を買いたいのはヤマヤマだけど、自分では銘柄選別する時間がないし、自信もない、そんな人も多いのでは。そこで登場するのが「日本株でアクティブ型の投資信託」なのだが、今の日本のアクティブ投信はほとんどが買えないものばかり。その理由をカリスマファンドマネジャーの藤野英人さんにわかりやすく解説してもらった。(全5回)

みんなで投資をすれば
日本経済も活性化する!

 私がこの連載などで述べてきたように、日本には投資に値する企業、投資して応援すべき企業がたくさんあります。一方、日本には1500兆円とも言われる莫大な個人の金融資産があります。株式市場を通じて、この両者が結びつけば、日本経済を活性化させる大きなエネルギーになるはずです。

 その莫大な個人金融資産の一部でも株式市場に流れ込み、しかも、それらのお金で企業の選別が熱心に行われたら、日本経済は劇的に蘇るでしょう。たとえば、その金融資産の5%でも株式市場に流れ込めば、75兆円のお金が流入してくることになります。2012年1月末現在の東京株式市場の時価総額が306兆円程度ですから、75兆円の新規資金流入は相当なインパクトになります。何十兆円というお金が新規に流入して、有望な企業を選別していくことになると、有望なベンチャー企業もたくさん出てくることになります。

 しかし、現実には個人金融資産のほとんどは預金の形で眠っており、大変不幸なすれ違いが生じています。金融資産を保有している個人のほとんどは、「株なんて単なるギャンブルであり、自分のお金を無駄にリスクにさらして減らしたくない」と考えています。

 確かに株式投資にはリスクがあります。しかし、本質を踏まえ、よく考えて株式投資を行えば、長期的には素晴らしい成果が得られるものだと思います。大きなリターンはもちろんですが、株式投資をすることで世の中を生き生きと知り、感じることができますし、それはとても楽しい営みでもあります。

なぜ日本にはよい「アクティブ型」の投資信託がないのか

 しかし、そうは言っても、「自分では銘柄選別する時間がない」という人も多いでしょう。そういう人たちのために存在するのが『アクティブ型の投資信託』です。

 アクティブ型というのは、積極的に銘柄選別して投資しようという運用スタイルのことを指します。株価指数に連動させて平均的なパフォーマンスを狙うインデックス型の投資信託と対極的なもので、信頼できるファンドマネージャーに自分の資産を託して、自分の代わりに銘柄選別をして投資をしてもらうという金融商品のことです。

 私がファンマネジャーとして関わってきたのも、一貫してアクティブ型の投資信託です。

 しかし、残念ながら、今の日本には個人投資家の資産形成に真に役立つと言えるアクティブ型投信はごく少数です。

 逆に言えば現在日本のアクティブ投信の99%は、アクティブといいながらも実態はインデックスと変わらない運用で手数料が高いものか、目先の流行に合わせただけのテーマ型ファンドです。

 私から言わせれば、そんな投資信託は本来の意味でのアクティブ投信とは呼べませんし、良いパフォーマンスを得られなくて当然です。

 今、世の中に必要とされているのは、こういう偽アクティブ投信ではなく真のアクティブ投信です。それは企業調査をし、分析し、本当に有望だと思われる企業ならば時価総額が小さくても積極的に買い、逆にダメだと思われる企業はどんなに時価総額が大きくても買わないということです。

 しかし、既存の大手運用会社の中にいると、運用の失敗を責められることを回避することにインセンティブが働くため、会社から要求されたテーマの運用に従い、TOPIX型または日経平均型のポートフォリオに近い運用をしてお茶を濁すのが無難だということになります。もちろんそうファンドマネジャーばかりではありませんが、アクティブといいながらも、銘柄の構成をみるとTOPIXとあまり変わらなかったり、時価総額が大きい企業ばかりだったり……ということがままあります。

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藤野英人(ふじの・ひでと)

レオス・キャピタルワークスCIO(最高運用責任者)
1966年、富山県生まれ。90年早稲田大学法学部を卒業。国内、外資系運用会社を経て2003年8月レオス・キャピタルワークスを創業、CIO(最高運用責任者)に就任(現任)。中小型・成長株の運用経験が長く、ファンドマネジャーとして豊富なキャリアを持つ。現在、運用している「ひふみ投信」は4年連続R&I優秀ファンド賞を受賞、さらに「ひふみ投信」「ひふみプラス」を合わせたひふみマザーファンドの運用総額は600億円を超えている(2015年6月現在)。ベンチャーキャピタリストであり、自身がファウンダーでもあるウォーターダイレクトを上場させ、現取締役。 また東証JPXアカデミーフェロー。明治大学商学部兼任講師。主な著書には『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)ほか多数。


日経平均を捨てて、この日本株を買いなさい。

「日本株はもうダメだ」そう思っている人は多いと思います。しかし「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」を見ているから日本はダメなのであって、この失われた20年、技術を磨き、経費を削減し、生活を豊かにしてくれるような商品を生み出している企業がたくさんあったのです! 22年間、日本株ファンドマネジャーとして勝ち続けているカリスマファンドマネジャーが教える『超成長株』の見つけ方を紹介します。

「日経平均を捨てて、この日本株を買いなさい。」

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