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逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

其の9「君子は豹変する」(易経)
自分のことを君子と勘違い
手におえない上司との付き合い

江上 剛 [作家]
【第9回】 2012年2月14日
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 「君子は豹変する」という言葉がある。

 豹の毛が抜け変わって、文様が鮮やかに浮かび上がることから、「君子は、誤りがあれば、すみやかにそれを改め、面目を一新する」という良い意味だ。

 論語の中にも、同じような意味で、「過(あやま)って改めざる、是を過ちという」というように、すぐに過ちだと気付いたら、躊躇せずに改めることこそ、君子の行いだという言葉がある。

 実際、間違ったと思ったら、君子だろうが、なんだろうがすぐに間違いを認め、謝れば、大きな問題にならないことが多い。これは私たちの実生活では当然のことだ。

自分を君子と勘違いする上司

 ところが、会社等には、悪い意味での「君子は豹変する」的な上司が多く存在する。いわゆる言うこと、やることが一変してしまう上司のことだ。

 こういう上司に仕えると、不幸だし、経営者にそういう人を戴いていると会社の業績は傾いてしまう。彼らは、自分のことを君子だと勘違いして、「過ち」を認めて、すぐに方針変更する。そしてそれがなぜ悪いと居直るのだ。

 私もそういう「豹変」上司に仕えたことがある。その上司に相談して銀行内の組織変更を実施することにした。彼も勢い込んで、「さあやろう!」と私を勢いづかせた。私はプランを立て、彼と一緒に企画部や人事部に協議に行く。するとお決まりのように反対だ。

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江上 剛 [作家]

えがみ ごう/1954年1月7日兵庫県生まれ。本名小畠晴喜(こはた はるき)。77年3月早稲田大学政経学部卒業。同年4月旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。高田馬場、築地などの支店長を歴任後、2003年3月同行退行。1997年に起きた第一勧銀総会屋利益供与事件では、広報部次長として混乱収拾に尽力する。『呪縛 金融腐蝕列島』(高杉良作・角川書店)の小説やそれを原作とする映画のモデルとなる。2002年『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。以後、作家に専念するも10年7月日本振興銀行の社長に就任し、本邦初のペイオフを適用される。


逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

作家・江上剛氏は、その人生で2回も当局による強制捜査を経験した。その逆境にあって、心を支えくれたのが、「聖書」「論語」「孫子」などの古典の言葉である。ビジネス界に身を置けば、さまざまな逆風にされされることも多い。どんな逆境にあっても、明るく前向きに生きる江上剛氏が、柔術ならぬ“剛術”で古典を読み解き、勇気と元気の“素”を贈る。

「逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―」

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