2014.2.4 其の59「論語」を読む。「歳寒うして……」 時代の波に乗れないと感じている人へ 時代の波に乗れないと感じている人は多い。だが、孔子もまた時代の波に乗れなかった。「歳寒うして……」という言葉には、自分を貫き通して生きて行きたい。それで満足ではないか。そういう孔子の絶対的孤独がひしひしと伝わって来て、粛然とする。
2014.1.21 其の58「論語」を読む。「富貴天に在り」が語っていること 景気が回復し、企業の業績も大幅に改善している。では、企業の富は何によってもたらされているのだろうか。それは社会と社員という「天」から与えられたものと考えて経営した方がいい。
2014.1.7 其の57「論語」を読む。年頭にあたり――「人知らず、而して慍らず」 「論語」がブームだそうだ。論語の魅力は、一言で言うと色々欲望もあってそうならない人間が反省している言葉がいっぱいだからだ。人生転ぶことの方が多い。論語は転んだ後の杖。よっこらしょと立ち上がるために使うのだ。
2013.12.24 其の56「論語」を読む。就職活動における「勝言(かちげん)」はいかに? 韓国の大学生の就活は悲惨だ。誰もがサムスンをめざし、「負けたら死ぬ」覚悟で就活に臨んでいる。しかし日本には多くの良質な会社がある。焦って小利を掴もうとせず、社会の一員として誰かの役立ちたいという強い思いがあれば、希望は叶うだろう。
2013.12.10 其の55「論語」を読む。点取り虫エリートを育てる教育の行き着く先 「みずほ銀行はなぜあんなに見事に墓穴を掘ったのだろうか?」と、ある一流の経営者から質問を受けた。みずほの例を見るまでもなく、水滸伝・宋江のように臨機応変に「想定外」の事態に対応できる人材はどうしたら育つのだろうか。
2013.11.26 其の54「論語」を読む。あなたには水滸伝・宋江のような交渉術があるか 熱心な読者から「交渉術」について書いてほしいと頼まれた。取引先や職場での人間関係に悩んでいるのだ。私は水滸伝の主人公・宋江こそ、最高の交渉術を持った人物だと思う。その理由に迫ってみよう。
2013.11.12 其の53「論語」を読む。あなたには水滸伝・戴宗のような情報官がいるか 今回のみずほ銀行問題が混乱した原因の一つは、優秀な情報官、すなわちインテリジェンス担当がいなかったことが挙げられるだろう。企業の情報官と言えば、広報だ。水滸伝・戴宗を例に、優れた情報官とはどのようなものかを考えてみよう。
2013.10.30 みずほ銀行暴力団員融資事件の幕引き あまりに大きい世間と銀行の常識ギャップ――作家・江上剛 10月28日みずほ銀行が暴力団員への融資問題に関して、第三者委員会の調査結果と処分を発表した。だがその内容は世間の思い、批判に、素直に想像力を広げた処分とは言い難い。また同じ間違いをする危険性をはらんでいる。
2013.10.29 其の52「論語」を読む。あなたは水滸伝の最後に笑う悪役のように生きたいか 水滸伝は、中国という大企業を舞台にしたゴマスリ役員と部下に慕われる役員との覇権争いの物語でもある。そして勝つのは、ゴマスリ役員だ。だが、会社にいるのは、一時のこと。後の人生を考えれば、出世だけに血眼になるのはどうかと思う。
2013.10.15 其の51「論語」を読む。あなたには水滸伝英雄・呉用のような参謀がいるか 水滸伝で宋江の参謀として活躍したのは呉用という人物がいる。時に宋江を励まし、常に冷静で、最後まで欺くことがなかった。もしあなたが自分を参謀タイプと考えるなら、最後まで参謀としての生き方に徹し切った方がいいかもしれない。
2013.10.11 みずほ銀・最悪のリスク対応、広報対応 その稚拙さは歴史に残る――作家・江上剛 みずほ銀行の暴力団組員への融資情報は経営トップにまで上がっていた。この間の同行の対応はその稚拙さに置いて歴史に残る最悪の事例だ。そこで私の数多くの失敗から考えたリスク対応、広報対応について話してみたい。
2013.9.30 【特別編】みずほ銀行、暴力団融資問題に想う 繰り返される事件の背後に潜むもの みずほ銀行で暴力団に対する融資が発覚した。第一勧銀総会屋事件で反社会勢力と対峙した身としては残念でならない。なぜ歴史は繰り返すのか。そこにあるのは銀行と銀行員の「モラルハザード」である。
2013.9.17 其の50「論語」を読む。あなたには水滸伝の英雄「李逵」のような部下がいるか 中国の有名な伝記小説「水滸伝」は、ある意味で「論語」的世界を体現しているように思える。私が気に入っているのは、宋江と李逵の物語だ。サラリーマンなら、この二人のような上司と部下の関係を築けたら本望だろう。
2013.9.3 其の49「論語」を読む。ブラック企業の理念集に書かれた孔子の言葉 世間からブラック企業と叩かれている企業の理念集を読んだ。なんと最初に孔子の言葉が出ている。一見解説は間違っていないように見えるが、経営者の都合がよいように解釈されているとも読める。孔子もさぞ驚いているだろう。
2013.8.20 其の48「論語」を読む。人を育てるとはどういうことか 今、毎月アジア各国を取材している。つくづく感じるのは日本企業は人を育てるのがヘタクソだということだ。国内でも「追い出し部屋」や「ブラック企業」など人の問題にことかかない。日本流の人材育成がいま問われている。
2013.8.6 其の47「論語」を読む。今、必要とされる「聞く力」とは? 先日、ビジネス書を作っている編集者と飲んだら、「最近、コミュニケーション本が流行っている」という。阿川さんの『聞く力』は読んでいないけれど、リーダーに取って『聞く力』は最も大事だ。この聞く力とはなんだろうか。
2013.7.23 其の46「論語」を読む。男と女、特に夫婦は難しい。 聖人君子の孔子も女性に関しては一言しか述べていない。聖人をもってしても男と女の関係について教訓を述べるのは難しいということだろう。他の古典を渉猟しながら、男と女の関係をひも解いてみる。
2013.7.9 其の45「論語」を読む。やる気が起きない停滞期をどう過ごす? 窓の外は、しくしくと雨。会社では評価されずやる気が起きない。そんな時にはどうするか。思い切って休む。会社は休み明けのあなたの「賢才」を、きっと見捨ててはおかないだろう。
2013.6.25 其の44「論語」を読む。就活に活かす 採用面接を如何にクリアーするか? 現在は、採用面接のシーズンだ。私のつたない経験を紹介しつつ、論語とともに考えてみよう。ポイントは、その会社が若いか、そうでないか。さらに、面接官が「佞(ねい)」的か、非「佞」的かを見極めることだ。
2013.6.11 其の43「論語」を読む。「リーダー」とは?リーダーが常に自らに問いかけるべきこと リーダーは大別すると情のリーダーと非情のリーダーに分けられだろう。孔子は情に重きを置くが、求められるのは「徳」だと言う。では、その徳を支える姿勢とは何だろうか。