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山崎元のマルチスコープ

確定申告の時期に考える
「節税」できないシンプルな税制の実現

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第219回】 2012年2月15日
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 友人とやっている会社の小さなオフィスで仕事をしていると、各種の飛び込みセールスがやってくる。生命保険会社、電話回線業者、水の宅配のセールス、先物取引業者、証券会社などさまざまな商売だ。

 飛び込みセールスの多くは若手社員なので、せめて彼らの訪問のノルマ達成に貢献すべく、顔を見て、名刺ぐらいはお渡しすることにしている。時間がある時には、「5分だけだよ」などと前置きして、セールスの口上を聞くこともある。

若手証券マンの飛び込み営業
持ち出したのは終身ガン保険

 最近、ある大手証券の若手(2年目といっていた)が飛び込んできた。「少しお話しさせて頂いていいでしょうか」と言うので、中に通して話を聞いた。驚いたことに、彼がいの一番に勧めた商品は、投資信託でも、外債でも、もちろん株式でもなかった。それは、ある外資系の生命保険会社が法人顧客向けに開発した終身ガン保険だった。

セールス 「社長、この商品は、法人様向けのガン保険ですが、簡単にいえば、御社に節税のメリットを取って頂こうとするものです」

山崎 「ほう。節税ですか。保険に入るのは誰ですか?」

セールス 「社長様や役員様です。重要なポイントは、保険料が、税法上経費として扱えることです。ご存知のように、日本の法人税の実効税率は約41%と大変高くなっています。保険料を経費にすることができると、たとえば、1年でご解約頂いても、返戻金で儲けて頂くことが出来ます」

 どういうことなのかと思いパンフレットを見ると、次のような数値例(数字は概数)が載っていた。たとえば、経過期間1年で解約するケースは以下の通りだ。

 支払い保険料の累計額は427万6000円で解約返戻金は280万円なので、単純返戻率は約65.5%となる。法人税率を41%として支払い保険料の節税効果を勘案すると、保険料の「実質負担額」は252万円3000円ほどなので、「実質返戻率」が111%と計算されていた。確かに計算上は儲かることになる。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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