日本生命保険は700万件の有配当の個人契約を対象に、300億円に上る大規模な増配を計画している Photo:JIJI

大手の生命保険会社が相次いで、既契約者に大規模な増配方針を打ち出している。その姿には、どこを主な対立軸として戦略を練っているかという各社のスタンスが如実に表れている。(「週刊ダイヤモンド」編集部 中村正毅)

 生命保険業界で今春、大きな焦点となっていた長寿化(標準生命表の死亡率の改善)に伴う保険料率の改定。各社が頭を悩ませた末に料率の見直しを相次いで発表する中で、話題をかっさらっていった企業がある。最大手の日本生命保険だ。

 日生は4月以降、新規の契約者に対し定期保険を中心にして死亡保険の保険料を平均で12%、最大で約24%引き下げると打ち出したのに続き、既契約者の個人への還元策として、実に300億円にも上る増配を固めたことが明らかになったからだ。

 対象は有配当の個人保険契約の5割弱に当たる700万件で、2006年度以来11年ぶりの大規模な増配になる見込みという。

 日本銀行のマイナス金利政策の導入による運用難で、厳しい経営環境に置かれる中にあっての大規模な増配は、日生が誇る強大な財務体力をこれでもかと見せつけているかのようだ。