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土井香苗
世界の人びとの尊厳ある生のために

週刊ダイヤモンド編集部
【第29回】 2008年5月16日
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土井香苗
写真 加藤昌人

 「国際協力の分野で働きたい」。それが、少女時代からの夢。21歳で司法試験に合格すると大学を休学し、独立から間もないアフリカの小国、エリトリアに単身渡った。自分に何ができるのか。まずは途上国の現場に身を置き、実情を自分の肌で感じるべきだと思った。

 ボランティアとして立法作業にかかわるなか、漠然としていた夢が、具体像になり始めた。「法律家として途上国の人権保護活動を支援していこう」。帰国後、弁護士として働きながら、難民支援に精力を注いだ。国際法と人権に関する知識が足りないと、米国のロースクールに留学。修士号を取得後、世界最大規模の国際人権NGO(非政府組織)「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)」のニューヨーク本部で働いた。

 NGOやNPO(非営利組織)といえば、日本では手弁当のボランティア団体というイメージが強い。しかし、HRWは240人以上のフルタイムの職員を抱え、そのほとんどが弁護士資格や修士号を持つエリート集団である。アフガニスタンなど紛争地域にも調査員を派遣し、そのレポートと政策提言は、メディアの報道や政府の外交政策にも大きな影響を与える。

 2007年7月、HRWで初の日本駐在員として帰国した。「世界中の人びとが尊厳を持って生きられるように、日本の外交影響力をどう高めるか」。大きな命題に向かって、たった一人で歩き始めた。

(ジャーナリスト 田原寛)

土井香苗(Kanae Doi)●弁護士。1975年生まれ。東京大学法学部在学中に司法試験合格。アフリカ・エリトリアでのボランティア活動後、2000年に弁護士登録。2005年米国に渡り、ニューヨーク大学ロースクールで修士号、ニューヨーク州の弁護士資格取得後、NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」に勤務。

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