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それでは、企業年金はどうしたらいいのだろうか?

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第222回】 2012年3月7日
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あなたが年金基金の
責任者なら、どうする?

 AIJ投資顧問による年金資産消失事件(少なくとも虚偽の運用報告の違反はあったようだ)では、AIJ投資顧問の悪質な営業ぶりが明らかになりつつあるのと同時に、同社の主な顧客の側である年金基金の運用管理のお粗末ぶりと、ハイリスクな運用に資金を投入する背景となった苦しい台所事情が明らかになった。

 被害に遭った年金基金は、AIJ投資顧問の被害者であると同時に、年金の母体企業と加入者に対しては加害者の立場でもある。今回の損失で引き起こされた積立不足(の拡大)は、第一義的には企業が穴埋めすることになるが、これは間接的に年金加入者の給料やボーナスに悪影響を与えるし、企業が負担し切れない場合に、損失が加入者の直接的負担になる場合もあり得る。

 AIJに引っかかった年金基金は「プロ失格」というしかないと筆者は思うが、同社に引っかからなかった基金でも、相当の窮状を抱えているケースが少なくない。特に、多数の中小企業などが集まって設立した総合型の厚生年金基金では、財政的な状況が苦しいケースが多く、また、諸般の事情からこの改善が難しい場合が多い。

 それでは、こうした状況を抱えている基金は、一体どうしたらいいのか。仮に、読者が、こうした年金基金で責任ある立場(理事長、常務理事、運用部長など)にあるとしたら、どう考えて、何をするべきなのだろうか。

 また、本来この問題は、こうした基金に加入している母体企業の経営者にとって、より深刻な問題でもある。経営の上でも企業年金の現状は大きな問題だ。

 しかし、現実の年金基金を考えた場合、問題を一気に解決することは難しい。大企業の年金でも問題の解決は難しかったし、そのせいで、これまでに巨額の損失を被ったケースが少なくない。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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