
「ゼロ金利」は、先進国経済が将来の成長が見通せなくなり、資本主義が新しい段階に入った証拠だという人がいる。しかしIT化によりモノの価格が下落し、労働人口の減少とサービス化が進む成熟経済では、経済成長率やインフレ率、金利が下がるのは自然な流れだ。
低成長=停滞という考えは誤り
日本の労働生産性はトップクラス
バブル経済崩壊後、たしかに日本の経済成長率は大きく低下した。しかし、「実質GDP(国民総生産)の増加率の低下」=「経済の停滞(深刻な病)」と考えるのは誤りだ。
このことには二つの理由がある。
第一の理由は、成熟した先進国では、労働力と労働時間が減少に向かい、その分だけ実質GDPが増えにくくなることである。
これは当たり前だが、当たり前のことを忘れて「長期停滞」を議論する人が少なくない。