ミスが多い部下、理由を聞いても沈黙するのは「SOSサイン」だった

コミュニケーションには「言葉を使うもの」と「使わないもの」の2種類があり、これまでの連載「管理職養成講座」では、言葉を使うコミュニケーションを中心に取り上げてきました。そこで今回は、管理職にとって重要な、「言葉を使わないコミュニケーション」についてご紹介します。(MICA COCORO代表 産業カウンセラー 宮本実果)

単純なミスが増え
笑顔が少なくなった部下

 転職を経て、コンサルティング企業に勤務するEさん(46歳)。教育関連のコンサルタントとしての経験も10年目を迎え、今では研修の講師や、部下の育成を行うマネジャーを務めています。

 抱える部下は5人で、部署の売り上げも前年比110%を超え、クライアント企業との関係も良好です。

 しかし、Eさんには最近、一つだけ悩みがありました。それは、異業種の企業から転職で中途入社した、32歳の女性部下Aさんのことです。

 Aさんは、コンサルタントとしての経験は少ないものの、これまでの経歴やポテンシャルを考えて採用した期待の新人でした。実際に、業務を覚えるスピードも速く、とても優秀なため、期待通りの人材だと確信して安心して過ごしていました。