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知らなきゃ損する 相続問題のリアル

「自分は一会社員だから」と安心するのは危険!
サラリーマン世帯にものしかかる相続税の大きな負担

八木美代子
【第2回】 2012年3月14日
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“夢のマイホーム”建て方で
相続税が大きく変わる!

 結婚し家庭を持てば、「いつかはマイホームを」と考える方も多いでしょう。特に高齢化が進むなか、新しい同居の形=二世帯住宅の建設を考える方が増えています。

 ところが、せっかく親孝行のつもりで建てた二世帯住宅が、相続の時に大きな問題を生む場合があるのです。

同じ家に住んでいるのに
「同居」が認められない

 相続財産には土地などの不動産も含まれます。中でも自宅は、遺された家族がその後も生活をしていく場所なので、相続時の負担を減らすために『小規模宅地等の特例』という制度があります。この制度を活用すると、240平方メートルまでの自宅を相続した場合、評価額が最大で80%まで減額されます。しかし、この特例を使うためには「同居をしていること」など一定の条件があります。

 だからといって「ウチは二世帯住宅だから特例を使える」と安心してはいけません。以下に挙げるのは、この特例に精通した税理士の先生から聞いた実話です。

 都内に住むKさん。親のために二世帯住宅を建てようと考えましたが、家族とはいえ、お互いのプライバシーは尊重したいという本音がありました。そこで、1階は両親、2階は自分たち家族が住むことにしました。2階へは外の階段から出入りできる作りにして、家の中にわざと内階段をつけないことで、互いのプライバシーが守られるようにしたのです(図1)。

 ところがこのケースでは、税法上、同居と認められません。1階と2階はそれぞれ独立した生活空間であるため、同居にはあたらないとみなされてしまうのです。したがって、相続が発生した際に『小規模宅地等の特例』が使えずに、Kさんは大きな損をしてしまったのです(まれにこのような構造の二世帯住宅でも、特例を適用できる場合はありますが、かなり手間がかかるとのことです)。

 「内階段のあるなし」で税金が大きく変わってしまう!この事例のように、知らないと損をしてしまうことも多いので、マイホームを建てる際には注意しましょう。

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八木美代子 [株式会社ビスカス代表取締役]

早稲田大学卒業後、リクルート入社。1995年に株式会社ビスカスを設立。税理士を無料でご紹介するビジネスモデルを日本で初めて立ち上げ、現在まで10万件以上のマッチングを実現。相続に強い税理士のみを集めたサイト「相続財産センター」を運営し、相続コーディネーターとしても業界ナンバーワンの実績を誇る。著書に『相続の現場55例』(ダイヤモンド社)、『相続、いくらかかる?』(日経BP社)、『相続は『感情のもつれ』を解決すればお金の問題もうまくいく』(サンマーク出版)などがある。
株式会社ビスカス

 


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