「一流のビジネスパーソン」たちは、日々どのように「ノート」を活用しているのか。マッキンゼー出身で、現在は「探究型の教育」を実践するラーンネット・グローバルスクールを運営する炭谷俊樹氏に、同じくマッキンゼー出身で「一流のノート術」を研究する大嶋祥誉氏が、「プロフェッショナルのノート術」について迫る。

目次づくりによって「構造」を理解する

大嶋 マッキンゼー時代から、炭谷さんはものすごく頭の中が整理されていて、講演などの構成もすばらしいと感じるのですが、情報を整理するコツ、講演やプレゼンなどでアウトプットをする際のポイントはどこにあるんでしょうか?

炭谷俊樹(すみたに・としき)/ラーンネット・グローバルスクール代表。神戸情報大学院大学学長。ビジネス・ブレークスルー大学大学院客員教授。1960年、神戸生まれ。東京大学理学系研究科修士課程修了。経営コンサルティング会社マッキンゼーに10年間勤務、日欧の企業コンサルティングに関わるとともに、新人コンサルタント採用・研修の責任者も担当する。1996年、神戸に「ラーンネット・グローバルスクール」を設立。子どもが自立的に学ぶ探究型学習を実践してきた。そのノウハウを「探究ナビゲータ講座」で展開。2010年4月に神戸情報大学院大学の学長に就任、65ヵ国からの留学生にIT技術で社会課題を解決する「探究実践」の手法を伝授している。著書に『第3の教育』『ゼロから始める社会起業』『実践課題解決の新技術』がある。
Photo by Tomomi Matsuno

炭谷 私の場合、アウトプットはたいてい講演、講義、あとは本ということになるんですが、一番のポイントは階層構造を意識しながら、目次を作るということです。

 自分が話したい項目が5つあったら、それぞれの項目に3つのポイントがあって……という具合に論理構成を組み立てつつ、まず目次を作る。それが基本です。

大嶋 それは、ピラミッドストラクチャーで、ノートに書くということですか?

炭谷 正確には、ノートに書くこともあれば書かないこともあります。以前は、ノートに書き出していたのですが、次第にノートがなくても頭の中で、ピラミッド構造を描けるようになったからです。

 また、たしかにピラミッド構造ではあるんですが、目次の場合はもう少し簡易的です。ピラミッド構造だと、文章でしっかり書いてロジックをよりクリアにしていきますが、目次は、キーワードだけの場合もあります。いずれにしても、まずそういった目次を作って、そこから肉付けしていくというイメージです。

大嶋 その手法はマッキンゼーで学んだものですか?

炭谷 いえ、この方法は、大学時代に栗山実さんの『速学術入門』という本を読んで、取り入れました。

 ピラミッドストラクチャーは、その後マッキンゼーに入ってから初めて知りました。

大嶋 ということは、炭谷さんは大学時代から、論理構造を考えながら目次を作るという作業を普通にやっていたんですね。それは驚きです。

炭谷 私は物理学科だったんですが、学科のセミナーで1時間くらい話す機会があったんです。そのときに何も見ずに話したら「よく全部覚えたな!」ってみんなに驚かれました。そのときのポイントも、まさに目次作りです。