自衛隊が尖閣防衛には不適任な水陸機動団や空母を持ちたがる理由海上自衛隊のヘリコプター空母「いずも」 Photo:MSDF

 4月7日、島嶼防衛部隊「水陸機動団」(2100人、将来3000人)の発足を祝う「隊旗授与式」が佐世保市の陸上自衛隊相浦駐屯地で行われ、式典後にはヘリコプター、水陸両用車を使って、敵が占拠したという想定で島への上陸作戦の展示訓練も行われた。

 その映像をテレビで見ていると、第2次世界大戦での硫黄島、沖縄、アッツ島やグアム、サイパンなど、10以上の島々での守備隊の悲惨な「玉砕」を思い起こし、暗い気持ちにならざるを得なかった。

 島の争奪と防衛に決定的な要素は制空権と制海権(空と海での優勢)を確保することであり、それが失われると、孤立し、補給も来援も途絶した島嶼防衛部隊は全滅が必至だ。

「水陸機動団」が創設されたが
重要なのは制空、制海権

 こちらが島の周辺海域で制海、制空権を握っていれば、相手が島に上陸作戦を行おうとしても、海上で敵の輸送艦は撃沈され、輸送機も撃墜されるから相手にとっては自殺行為だ。

 仮にこちらの隙を突いて上陸に成功しても、補給さえ断てば敵は遅かれ早かれ降伏するか玉砕するしかない。