あのGoogleは自称「ドッグカンパニー」
欧米ではペット同伴出勤が当たり前に

 猫と働くことで、さまざまな問題が解決することは理解できても、やはり発想が突飛すぎるのでは、と感じている読者もいるかもしれない。しかし、視点を欧米に転じればまったく突飛ではない、と樺木氏は語る。

野良猫問題を抱える地域が多く、年間4万6000匹もの猫が殺処分されている日本。企業の2.5%がねこ社員を導入すれば、殺処分はゼロになるほどのインパクトがある

「アメリカでは全企業の約17%で動物と働くことが認められ、ペット同伴の出勤が可能なケースもあります。こうした企業は近年急増しており、世界トップ企業のGoogleやAmazonも名を連ねています。世界的に見ても、動物と働くことはなんら珍しいことではなくなってきているのです」

 Googleは、同社の企業文化になくてはならない存在に犬を挙げ「ドッグカンパニー」と称し、従業員にペットの健康保険を提供するなど、さまざまなサポートを行っている。また、イギリスのペット保険会社「MarsPetcare」では、ペットを理由に休みがとれる「ペット休暇」を導入しているという。

「欧米諸国でペットと働くことが受け入れられている理由は、アニマルセラピーが医療行為として広く信頼されていることが関係しています。アメリカやイギリスは、動物を活用した医療(動物介在療法)の先進国ですし、ドイツでは90%以上の医療従事者がその効果を認めている、という調査結果も。欧米において『猫と暮らしなさい』という医師の指示は、正式な処方なんです」

 一方、日本での動物介在療法は保険が効かず医療費が高額になってしまうため、医師側も積極的に患者に提案することができないという。医療現場で使われなければ、認知度が上がるはずもなく、アニマルセラピーという言葉だけが独り歩きしているのが日本の現状なのだとか。

「ストレスを抱えてうつ病に悩むビジネスパーソンはとても多い。メンタルの不調が原因で退職を余儀なくされるケースもあり、社会問題になっています。企業は社員のストレスを解消する方法を見い出せていない一方で、彼らを救うチカラを持つ猫たちが、何万頭も殺処分されている。このミスマッチな現状を解決するのが、ねこ社員の登用なんです。日本の法人企業の約2.5%がねこを受け入れるだけで、現在行われている年間4万6000匹もの殺処分がゼロになる計算です。この企業への受け入れの割合は、アメリカ企業の7分の1程度の水準であり、イギリス企業の水準からみても3分の1以下に過ぎません」
 
 日本では、猫=老人や子どもが飼う動物というイメージが強い。しかし、日々ストレスと戦うビジネスパーソンにこそ、ねこ社員が必要だと樺木氏は語る。

「“どうせペットでしょ”という、猫のイメージを変えるきっかけになれば、と思い、この本を執筆しました。本当の意味でよい仕事をしたいならば、猫と働くという選択肢があってもいいのではないでしょうか」

 この記事を読んで、ねこ社員が優雅に闊歩するオフィスを想像したあなた。ぜひ、ねこ社員の登用を検討してみてほしい。