「意識が変わった」と胸を張る日本原燃の工藤健二社長(左端)に対して、原子力規制委員会の更田豊志委員長(右端)は、「トラブルの繰り返しは日本原燃の事業にとって致命的なことになる」と伝えた Photo:©朝日新聞社

 原子力発電所から出された使用済み核燃料、いわゆる“核のごみ”の再処理工場(青森県六ケ所村)稼働へ向けて、原子力規制委員会による安全審査再開が決まった。

 この再処理工場は、使用済み核燃料からウランとプルトニウムを分離・抽出する施設で、国の政策である核燃料サイクルの要。取り出したウランとプルトニウムは、再び原発の燃料として利用されることになっている。

 再処理工場の運営を担うのは、電力会社など原子力事業者の出資で設立された日本原燃。取締役と執行役員は各電力会社からの寄せ集め部隊で当事者意識が薄く、重大任務を担う企業であるにもかかわらずガバナンスがまったく効いていない。実際に、同社の失態は枚挙にいとまがない。

 例えば2016年8月の同社のウラン濃縮工場の審査で、規制委から指摘された業務改善を行っていないにもかかわらず、行ったと虚偽報告。同年12月に原子炉等規制法の報告徴収命令を受けた。

 さらに、17年8月に発覚した非常用電源建屋への雨水流入については、流入元となった配管ピットは03年の設置から一度も点検されていなかった。非常用電源建屋は、安全上重要な設備という位置付けだ。そこを水浸しにした上、放置していたというありさまだった。