東電と関電、日本原電の支援スキームに隠された「バーター取引」稼働から39年を超えた東海第二原発

 昨年秋から電力業界内の最大の課題として各社が頭を悩ませていた原子力発電専業会社、日本原子力発電の東海第二原発(茨城県)をめぐる問題が、ようやく決着を迎えそうだ。

 日本原電は現在、稼働している原発は一基もない状態だ。そんな中、同社の東海第二原発が再稼働へ向けた原子力規制委員会の審査が大詰めを迎えている。原電は追加の安全対策工事を行うための資金調達の際に、金融機関から電力各社による債務保証を求められていた。

 東京電力ホールディングス(HD)は、日本原電の28.23%の株式を保有する筆頭株主で、東日本大震災が発生するまでは、東海第二原発で発電される電気の8割を受電してきた。そんな関係の深さから、昨秋以降、東電が日本原電の債務保証を引き受けることが検討されてきたのだが、このほど、3月中に取締役会で決議し、日本原電の全面支援が正式に決定される運びとなった。支援する金額は「総額で2500億円は下らない」(政府関係者)という。

 東電に“会社存亡”の運命をゆだねてきた日本原電の首脳は、眠れぬ日々を過ごしてきたに違いない。

 日本原電は東電に対して東海第二からの受電と資金調達支援を秋の時点で依頼していた。日本原電首脳は「年末には判断が出るはずだった」と明かす。