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通信・放送融合の次世代家電競争で勝ち残れるか?
スマートテレビ議論に見る“電機業界動乱”の暗示

真壁昭夫 [信州大学教授]
【第219回】 2012年3月27日
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スマホがテレビを飲み込むようなもの?
にわかに注目度が増すスマートテレビ

 最近、色々な人から“スマートテレビ”の話を聞く。“スマートテレビ”とは、現在のスマートフォンが大きくなり、それがテレビの役目をするイメージだという。

 “スマートテレビ”は、スマートフォンと同じソフトで起動するため、情報端末の機能を持ち、インターネットやその他の情報を好きなときに検索し、オンデマンドで見ることができる。それに加えて、テレビとして放送局が提供するドラマなどのコンテンツを見ることもできる。

 家電製品などの専門家の中には、「“スマートテレビ”が次の情報・通信および家電製品の中心になる」と見ている人が多い。その一方、「いや、“スマートテレビ”が世界的に普及するとは思わない」という見方もある。

 すでに、日本メーカーを含めた数社が“スマートテレビ”を製品化しているが、今のところそれほど注目されていないようだ。ただ、“スマートテレビ”の機能が高度化すると、通信と放送の区別がなくなることになるだろう。将来のことを考えると、その意味は小さくないはずだ。

 現在、放送局が作成しているドラマを観ようと思えば、決められた時間にテレビの前に座っているか、あるいは、その時間に録画をする必要がある。しかし、そのプログラムをオンデマンド方式で供給するシステムができると、プログラム自体は放送の域を出て、むしろ「情報の一部」と認識される方が適当になるかもしれない。

 さらに進んで、家の中にある冷蔵庫やクーラー、洗濯機などの家電製品をパソコンの機能を持ったテレビがコントロールするという発想が、すでに出ている。それは“スマートハウス”と呼ばれるコンセプトに結びつく。今後も様々な広がりが出てくるだろう。

 問題は、メーカーがその変化に迅速に対応できるか否かだ。それによって企業の優劣が決まるからだ。

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真壁昭夫 [信州大学教授]

1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員などを経て現職に。著書は「下流にならない生き方」「行動ファイナンスの実践」「はじめての金融工学」など多数。


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