日本の自動車メーカーが米国市場で迎えた一大事、販売戦略見直しか?

2011年から続いた
好況に陰り

 米国の自動車市場が鈍ってきた。昨年1年間で単月実績が前年比プラスだったのは9月と11月だけで、暦年(1月1日~12月31日)実績は1723万台(一部の大型商用車を除く)、前年比1.8%減で終わった。今年1月は前年同月比プラスだったものの、2月は2.4%減。とくに乗用車(セダン/ハッチバック/クーペなど)は不振で、1~2月累計は前年同期比11.9%減である。リーマン・ショックから回復した2011年以降16年までの6年間で、米国自動車市場は500万台近い増加を見たが、その好況に陰りが見えはじめた。当然、日本車の販売もじわじわと減り、日本メーカー各社は対応を迫られている。

 日産は2月、2018年3月期(17年度)決算の業績見通しを下方修正した。日産の17年米国内販売は、市場が前年比1.8%のマイナスとなる中で同1.9%増と好調だったが、当面は米国での在庫調整と“量から質の販売への転換”を進めると、西川広人CEO(社長兼最高経営責任者)は記者会見で語った。

 トヨタは昨年4月から12月末までの9ヵ月間で見ると、北米市場の営業利益が前年同期比で約6割も減少した。18年3月期については、販売奨励金(インセンティブ)の負担が大きく、1400億円程度の減益要因になる見通しだという。好調だったマツダとSUBARU(スバル)も米国での利益が縮小している。