平昌オリンピックで一躍流行語となった「そだねー」。カーリング女子日本代表「ロコ・ソラーレ(LS北見)」の選手らが、競技中に発した北海道方言だ。そんな「そだねー」について、北見工業大学生活協同組合(北海道北見市)や、六花亭製菓株式会社(北海道帯広市)が、相次いで商標登録の出願を行い話題となっている*1。商標登録はどのような制度であるのか、また、今後企業が知財戦略(商標戦略)を考えるにあたってどのような点に気をつけたらよいのだろうか。商標の実務に詳しい弁護士法人内田・鮫島法律事務所の杉尾 雄一弁護士・弁理士に聞いた。
1 商標登録制度とは
――商標とはどのようなものでしょうか。
商標は、商標法上、商品または役務(サービス)に用いる標章(マーク)と定義されており、「創作物」とは定義されていません。言い換えると、商品等に用いるマークであれば何でもよく、他人が考えたマークを商標登録出願することもできます。
商標は当初からそれ自体に価値があるのではなく、長年使用し続け、信用が化体することによって、はじめて価値が出てくるものです。よって、使用する商標は何を選択してもよく、基本的には、所定の登録要件を満たす商標であれば、誰でも出願し登録を受けることができます。
*1 北見工大生協の商標登録出願は、当初、個人の名義で出願がされたものであったことから、公開商標公報では、当該個人の名義の商標登録出願となっていますが、2018年3月26日付で出願人名義変更届がなされ、2018年3月27日時点では「北見工業大学生活協同組合」の名義の商標登録出願とされています。