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香山リカの「ほどほど論」のススメ
【第25回】 2012年4月9日
著者・コラム紹介バックナンバー
香山リカ [精神科医、立教大学現代心理学部教授]

自分とすべての意見が一致する人は
なかなか見つからないもの

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基本姿勢は違っても合意できる部分では協力すべき

 自民党の河野太郎さんは、原発を推進してきた自民党に所属しながら反原発を主張し続ける議員としてよく知られています。

 その河野さんが、反原発を主張する人たちから批判されている、という話を聞きました。

 批判の原因は、河野さんが「ガレキ処理については各都道府県である程度引き受けたほうがいいのではないか」という趣旨の発言をしたことだです。そのひと言で、河野さんの反原発という主張やこれまでの積み重ねまでがなかったかのように批判されるのは、おかしな話です。

 この一件で感じたのは、反原発という立場をとる以上、ガレキ処理や食べ物の対処など、個々の問題に対してこう考えるべきだという選択肢が厳密に規定されてしまっているのではないかということです。

 「私は反原発だけれども、ガレキについては受け入れるべきだと思う」
 「俺は反原発だけれども、食べ物についてはそこまで神経質にならなくても大丈夫ではないだろうか」

 こうしたことを言い出すと、即座に原発推進派のレッテルが貼られてしまい、同じ反原発のなかでも分断が起こってしまうのです。

 大きな課題を実現しようとしたとき、個々のテーマで争っても仕方がありません。大前提にある大きなテーマで一致団結したほうが、より大きなうねりが作れるのではないかと思うのです。

 このコラムでもこれまで書いてきたとおり、私は橋下徹大阪市長の政治姿勢とは相容れない部分は多々あります。しかし、反原発という点においては一致しています。私のほかにも、「橋下さんのやり方に異論は多くても、反原発には賛成」という立場の人はたくさんいると思います。

 橋下さんが大阪市長として関西電力と戦う姿勢には共感しています。その主張をもっと大きく広げていくためにも、橋下さんは「異論はあっても反原発には賛成」という立場の人たちと、協力し合えばいいのではないでしょうか。私も、橋下さんから協力を求められれば、積極的に応援しようと考えています。

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香山リカ [精神科医、立教大学現代心理学部教授]

1960年北海道札幌市生まれ。東京医科大学卒業。豊富な臨床経験を生かし、現代人の心の問題のほか、政治・社会評論、サブカルチャー批評など幅広いジャンルで活躍する。著書に『しがみつかない生き方』『親子という病』など多数。


香山リカの「ほどほど論」のススメ

好評連載「香山リカの『こころの復興』で大切なこと」が終了し、今回からテーマも一新して再開します。取り上げるのは、社会や人の考えに蔓延している「白黒」つけたがる二者択一思考です。デジタルは「0」か「1」ですが、人が営む社会の問題は、「白黒」つけにくい問題が多いはずです。しかし、いまの日本では何事も白黒つけたがる発想が散見されるのではないでしょうか。このような現象に精神科医の香山リカさんが問題提起をします。名づけて「ほどほど」論。

「香山リカの「ほどほど論」のススメ」

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