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山田厚史の「世界かわら版」

ドイツの放送局が問う「フクシマの嘘」とは
元凶に触れず再稼働する野田政権の愚行

山田厚史 [デモクラTV代表・元朝日新聞編集委員]
【第7回】 2012年4月12日
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 原子力発電所の再稼働に向け、あたふたと動きだす野田政権の姿に「フクシマから何を学んだのか」と情けなく思うのは、私だけだろうか。

 汚染は日々深刻になっている。ふるさとを追われた住民は帰れない。売れない作物の品目や産地が広がっている。「除染」のかけ声だけが空しい。

 爆発した原子炉から今日も放射性物質が飛び散り、風や雨が運び、子どもの体内被曝が心配される。原子力事故が人の営みの根幹を揺るがしているのに、「我々は何を間違えたのか」という反省もないまま、「電力体制」を復元する愚行が始まった。

原発再稼働3条件は
再稼働のためのお題目

 野田政権は、止まっている原発を再稼働する条件を3つ挙げた。

 (1)全電源を喪失しても事態の悪化を防ぐ安全対策ができている。
  (2)東日本大震災なみに、想定値を超えた地震・津波が起きても核燃料が損傷しないことを政府が確認している。
  (3)電力会社が、さらに安全を向上させる対策をいつまでに実施するか計画を作っている。

 字面だけ読めば、立派だ。「安全対策」「政府が確認」「実施計画」。どれも耳にタコができるほど聞かされた言葉だ。そんなお題目がいかに虚ろだったか。思い知らされたのが「フクシマ」ではなかったか。

 震災当時、「直ちに健康に影響はありません」と無表情に繰り返していた現経済産業大臣が、今度は「おおむね安全が確認されました」と再稼働させようとしている。

 枝野さん、あなたはファイティングポーズをとっているかに見えるときもあるが、なぜフクシマであんな事態が起きたのか、教訓を踏まえた政治をしていますか?

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山田厚史 [デモクラTV代表・元朝日新聞編集委員]

やまだ あつし/1971年朝日新聞入社。青森・千葉支局員を経て経済記者。大蔵省、外務省、自動車業界、金融証券業界など担当。ロンドン特派員として東欧の市場経済化、EC市場統合などを取材、93年から編集委員。ハーバード大学ニーマンフェロー。朝日新聞特別編集委員(経済担当)として大蔵行政や金融業界の体質を問う記事を執筆。2000年からバンコク特派員。2012年からフリージャーナリスト。CS放送「朝日ニュースター」で、「パックインジャーナル」のコメンテーターなど務める。

 


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元朝日新聞編集員で、反骨のジャーナリスト山田厚史が、世界中で起こる政治・経済の森羅万象に鋭く切り込む。その独自の視点で、強者の論理の欺瞞や矛盾、市場原理の裏に潜む冷徹な打算を解き明かします。

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