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原油相場だけでは説明できない
“ガソリン価格高騰”の構造問題

週刊ダイヤモンド編集部
2012年4月23日
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ガソリン価格の高騰が、世界経済を脅かしている。特に米国は深刻で、景気への悪影響の顕在化が目前に迫る。最大の要因である原油価格上昇は一服しているが、先行きは楽観できない。さらに、原油相場以外の“構造問題”により今後のガソリン価格は高止まり、あるいはいっそう上昇する可能性が高い。

 ガソリン価格の急上昇で、運輸や農業、漁業従事者から悲鳴が上がっている。国内のガソリン店頭価格は、1月5日の1リットル143.2円(レギュラー、全国平均。以下同)から4月2日には158.3円まで約10%上昇。軽油も同様の値上がりだ。
ガソリン高の第一の要因は、むろん原油価格の高騰である。

 原油相場は、昨年10月から顕著な上昇を始めた。イランの核開発問題を中心とする中東情勢の緊迫に加え、欧州の債務危機問題が一応の進展を見せたこと、米国や新興国を中心に景気回復が進み需要が拡大するとの観測が高まったことなどが、背景にある。

 もっとも、「世界的に原油の在庫は非常に高水準で、ガソリンなどの石油製品も、不足しているわけではない」(芥田知至・三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員)。これらを材料にした“思惑買い”や投資・投機資金の流入の影響、という側面が強い。

 1月下旬~2月初旬に欧米がイランへの経済制裁を強化すると、原油価格はさらに騰勢を強めた。日本の石油製品の価格指標となるドバイ原油価格(スポット)は、1月末の1バレル109ドルから、3月14日には124ドルまで高騰、その後も120ドル台で推移した。

 これに、円安が追い打ちをかけた。国内のガソリン価格は、運賃や保険料を含めた原油輸入価格にほぼ連動するが、2月中旬以降、ドル建て価格をはるかに上回る勢いで、円建て価格が上昇している(上図参照)。2月14日の日本銀行による追加金融緩和で、急速に円安が進んだためだ。

 幸い、足元ではガソリン高は一服の気配を見せている。3月下旬以降ドバイ原油価格は下落基調となり、ガソリン価格も4月9日には9週間ぶりに下落。同日から2週で1.1円の値下がりとなった。

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