日本語でも悩むメールがスラスラ書ける! 総合商社で磨き抜かれた「生きた英語」とは?
「値下げ要求をスマートに断りたい」「代金の未払いをやんわりと伝えたい」「商品をさりげなく売り込みたい」。あなたならどう書きますか?
三井物産の商社マンとして、約40年間、第一線で活躍し、退職後は慶應義塾大学、早稲田大学のビジネススクールで教鞭をとる定森氏の新刊、『人を動かす英文ビジネスEメールの書き方ー信頼と尊敬を勝ちとる「プロの気くばり」』から、内容の一部を特別公開する。

英文メールの件名は「これ」だと読まれない。

「件名」に書いてはいけないことは?

 英文メールにおける「件名(subject)」は重要です。

 ビジネスメッセージの「正確さ」には、忙しい相手にとって、数多くの案件の中から特定の話題に素早くアクセスできる手がかりを与えることも含まれます。例えば、

●Subject: Payment in arrears (invoice No. 98-123)
件名:支払い遅延(請求書番号No. 98-123)
●Subject: Video-conference on collaboration with USI 

件名:USI社との協業に関するビデオ会議

 このようにPayment in arrears やVideo-conferenceだけでなく、その内容に関する具体的な情報(番号、商品名、プロジェクト名など)を付記するほうが効果的です。

 件名は、新聞やテレビのニュースの見出しと同じように、少ない語数で相手の関心を惹く工夫が大切です。

 下記のような、センテンス形式の長い件名も見かけますが、控えましょう。

●Subject: We haven’t received your payment of our invoice (No. 98-123) for your order (No.YS-9876)
件名:貴社の注文品(No. YS-9876)に対する弊社の請求書 (No. 98-123) が未入金となっています
●Subject: We would like to have a video-conference on collaboration with GBC 

件名:GBC社との協業に関するビデオ会議を行いたいと思います

「少ない語数で相手の関心を惹く」という件名の役割を果たすことができておらず、相手に余計な負担をかけてしまいます。

 センテンス形式の件名は、「Thank you for your quick response」のような短文を除き、原則としてビジネスでは使わないようにしましょう。

参考記事:ネイティブにイエスと言わせる「商社の英語」、日本人の「気くばり」が、武器になる。