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吉田恒のデータが語る為替の法則

投機筋は円高戦略を簡単に放棄しない!
短期円高「時間切れ」後のシナリオとは?

吉田 恒
【第49回】 2009年10月15日
著者・コラム紹介バックナンバー

 米ドル/円は、先週も何度か88円割れをトライしましたが、結局は割れませんでした。短期の円高が、いったん「時間切れ」となった可能性も考えなければなりません。

 もしそうだとしたなら、前回のコラムで書いたように、どこまで円安方向へと値を戻すかが、円高再開を「判定」する手がかりになると思います(「カギは93円にあり!ドル安・円高再開の『判定方法』とは?」参照)。

8月からの短期円高は
「タイムオーバー」となった?

 ちょうど1年前、2008年9~10月に、米ドル/円は歴史的な大相場を演じました。9月中旬に「リーマン・ショック」が起こったことも相まって、110円から90円まで、一気に20円あまりも米ドル安・円高へと向かったのでした。

 この「リーマン・ショック」に端を発した大相場は、38営業日の日数を要しました。これに対して、今回の8月上旬から続いている米ドル安・円高は、今週で、すでに40営業日を大きく過ぎています。

 また、今回の米ドル安・円高は、8月上旬の97円台から始まり、10月上旬の88円台前半まで、値幅としては10円に達していません。つまり、1年前の「リーマン・ショック」に伴う大相場の半分程度でしかありません。

 値幅としては、1年前の大相場の半分程度しか動いていないのに、継続日数だと、1年前の大相場を大きく上回っているのです。

米ドル/円 日足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足

 それでは、米ドル/円の短期大相場の継続日数として、2008年の「リーマン・ショック」に伴う大相場と、今回では、どちらが異例なのでしょうか?

 実を言うと、それは今回のようなのです。

 2000年以降の米ドル/円の短期大相場を調べると、30営業日前後で10円程度の値幅を伴った動きとなるのが基本のようです。

 その意味では、今回の米ドル安・円高は、短期大相場としては「タイムオーバー」となった可能性が指摘できるでしょう。

 では、いったん円高が「時間切れ」になったとして、その修正はどこまで進むのでしょうか?

 投機筋の円買い見直しの観点から、それを考えてみましょう。

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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