長く細かく説明しても売れないただ長く細かく説明しても物は売れない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「トップ営業マン」と呼ばれる人たちは、総じて接客時間が長い。1~2時間もザラである。このため、多くの営業職は、顧客に対して「長く」「細かく」話をする方が売れると考えているが、本当だろうか。筆者の体験も踏まえて検証してみよう。(営業サポート・コンサルティング代表取締役、営業コンサルタント 菊原智明)

長く細かく説明すれば
売れるというのは間違い

 多くの営業マンが「長く説明しないと売れない」、もしくは「こと細かに伝えた方が契約は取れる」と思い込んでいるだろう。

 しかし、それはまったくの誤りである。実は、長くなればなるほどお客様の購買意欲は下がり、買ってくれなくなるのだ。

 なぜ、そう断言できるのか。

 それは私自身が嫌というほど味わってきたからである。私はハウスメーカーの営業マンとして入社して7年間、鳴かず飛ばずのダメ営業マンだった。クビにはならなかったものの、いつも成績は最低ランクだった。営業会議では「標的」にならないよう、いつも気配を消していた。

 ダメ営業マン時代の私はというと、まったくやる気がなかったわけでもない。営業センスがないながらも「スキルを上げて、なんとか契約を取りたい」と考え努力をした。

 例えば、お客様に対して長時間、商品説明できるように毎日トークを練る、もしくは後輩をつかまえてお客様役をしてもらい、ロープレをしたりした。