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三谷流構造的やわらか発想法

非日常からの発想
~竜巻をハカる「藤田スケール」
尺度をつくるってなんだ?

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
【第34講】 2012年5月15日
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竜巻をハカる。F2のFは藤田のF

 大型連休の最終日5月6日の昼すぎに、茨城県と栃木県にまたがって複数の強い竜巻が発生し、2000棟を超える家屋が損壊、森林や農産物・工業品にも10億円近い被害がでました。負傷者は数十名に上り、自宅にいた中学生の男の子が崩れた屋根の下敷きになって亡くなりました。

 死者を伴う国内の竜巻被害はこの10年で4件目。今回の竜巻は、被害家屋の多さでは2006年9月17日に宮崎県延岡市を襲い、停止中の特急列車を脱線・転覆させた竜巻に匹敵するものでした。

 気象庁が発表したこの竜巻の強さはF2。「屋根がはぎ取られる」強さの竜巻です。

 推定される風速は7秒間の平均で推定秒速50~69m(*1)。時速になおせば時速180~248km。吹き飛ばされた木材が、このスピードで木造家屋に垂直にぶつかれば、壁をらくらくと貫通し家自体を串刺しにしかねない風速なのです。

 でもF2クラスの竜巻は、実はほぼ毎年発生しています。そのF2の1つ上がF3。国内では過去30年で3件(*2)しか観測されていません。

 世界中で竜巻の規模を示す尺度として使われているこの「F」は、日本人気象学者 藤田哲也博士が提唱した「藤田スケール(F-Scale)」のFです。

*1 これは藤田スケールによるもの。2007年から米国で採用された改良藤田スケール(EF)で、EF2なら秒速50~60mである。
*2 千葉県茂原市(1990年12月11日)、愛知県豊橋市(1999年9月24日)、北海道佐呂間町(2006年9月17日)。茂原市では同時にミカン大の雹(ひょう)が降った。

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三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]

1964年大阪生まれ、福井育ち。小1のとき読書と読みかじりを人に教える快感に目覚め、駿台予備校では教えることの技術に衝撃を受ける。東京大学 理学部物理学科卒業後19年半、BCG、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。
2006年から教育の世界に転じ、社会人教育と同時に、子どもたち・親たち・教員向けの授業や講演に全国を飛び回る。「決める力」「発想力」と「生きる力」をテーマに毎年8000人以上と接している。現在K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院 主任教授(MBAプログラム)の他に、早稲田大学ビジネススクール、グロービス経営大学院、女子栄養大学で客員教授、放課後NPO アフタースクール及びNPO法人 3keys 理事を務める。永平寺ふるさと大使。
著書多数。『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)は啓文堂書店2012ビジネス書大賞、『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はダイヤモンドHBRベスト経営書2013第1位、ビジネス書大賞2014大賞、『ビジネスモデル全史』(同)はHBRベスト経営書2014第1位となった。
HPは www.mitani3.com

 

 


三谷流構造的やわらか発想法

発想法ってなんのために存在するのでしょう? ヒトと違うアイデアや答えを出すためです。統計的に有意な戦略なんて、定義により無価値ですし、統計的に正しい発想法なんてあるわけがありません。発想に「普遍性」や「高確率」を求めるなんてそもそも矛盾しているのです。発想法も、然り。これまでと違うものを生み出すには、新しい発想法がいま求められているのです。

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