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領土問題に中国少数民族問題でも鋭く対立
国交正常化40周年迎え遠のく“不惑”の関係

陳言 [在北京ジャーナリスト]
2012年5月21日
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国交正常化して40周年になる中日両国の経済関係は、どんどん緊密になっている。40周年にあたって、政治面での齟齬、民間での相互嫌悪を少しでも改善させようという動きがあった。しかし、年の半ばまで来た現在、むしろ対立は鋭くなりつつあり、関係改善の目途が徐々に遠のいている。
(在北京ジャーナリスト 陳言)

予想より遥かに中国政府を
刺激した世界ウイグル会議

 数ヵ月前から、5月14日に日本でアジア初の「世界ウイグル会議」が開かれることについて中国でも噂されていたが、小規模な会議であまり影響力もないだろうと思われていた。

 5月13日の中日韓首脳会談の前に、筆者は、中国外交部のある高官と別件で会う約束をした。予定より30分も遅れてきた同氏は、怒った表情で会議室に入ってきた。「領土問題なら日本の外交官と喧嘩しても本気で怒らないが、世界ウイグル会議は日本で開催し、ビザを発行するのが日本政府で、それを支持していることはあまりにも明らかだ」と、怒りが収まらない。

 彼はとても疲れていた。もう日本にはどんな話をもちかけても、こちらの気持ちがわかってもらえない。そして彼もまた、日本の気持ちが理解できなくなっている様子だった。

 日本政府としては、民間が組織した会議であり、日本に社会動乱でも引き起こさない限り、外国人の入国を断る理由はない、と思っているようだ。

 一方、中国政府から見れば、日本で会議を開くウイグル族の人たちは、2009年7月5日に発生し、200人の死亡者を出したテロ事件をはじめ、その後も多発した民族紛争や、中国を分裂させる活動などに関わっており、とても「外国の民間組織が、日本で国際会議を開くだけ」では片付けられない。

 「アルカイダが日本で国際会議を開くと言って、日本政府は関係者にビザを発行するか」と、中国の外交官は語気を強めた。

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陳言 [在北京ジャーナリスト]

1982年南京大学卒。『経済日報』に勤務してから、1989年に東京大学新聞研究所、慶応大学経済学研究科に留学、博士課程終了、萩国際大学教授。2003年に帰国。月刊『経済』主筆。2010年から日本企業(中国)研究院を設立、執行院長。ダイヤモンドオンライン、『週刊東洋経済』『アエラ』『中国経済週刊』『中国経営報』などのメディアに数多くの記事を掲載。2015年日本語日刊紙『速読中国』を創刊して編集長を兼任。


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