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変化が激しいテクノロジー界だからこそ
中長期の視点でトレンドを語りたい

――「ユーザー企業」「IT業界」の両面からの仮説

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第87回】 2018年12月14日
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デジタル技術の進展が急速に進むなか、中長期的なITトレンドを見通すことの重要性はますます高まっている。2020年以降に本格化すると見られるIT動向について「IT業界」と「ユーザー企業」の2つの視点から取りまとめた仮説を紹介する。

不連続な変化が予想される2020年以降

 ITRでは、毎年アナリストの合議によって、将来動向を見据えた予測、各々の分野で重視すべきキーワードとともに、注目すべきIT戦略テーマを選定している。これまでもテクノロジーは進化し、ITを取り巻く業界構造は変化し続けてきたが、2020年以降にはこれまでとは異なる不連続な変化が待ち構えていると予測している。ここでは、「IT業界」「ユーザー企業」の両方の観点から、2020年以降の仮説を示す。

IT業界に関する仮説

 テクノロジーの進展に加えて、ITを取り巻く業界構造にも大きな変化が予想される。2020年以降に予想されるIT業界に関する10の仮説を列挙する(図1)

メガクラウドの席巻:
国内企業のクラウド活用は第2段階に入った。仮想サーバだけでなくPaaSなどを活用し、クラウドをデジタライゼーションやグローバル展開を推進するためのIT基盤と位置づける企業が増える。これらの企業は、先進的で多種多様な機能を次々と提供し世界規模で展開するメガクラウド事業者が自社に最適なパートナーと考える。国内のクラウド事業者はこれらメガクラウドとの協業を強化する。

大型開発案件の減少:
ユーザー企業において、大規模システム開発や長期運用委託といった大型投資案件の見直しが進み、より小規模かつ短納期での発注形態が増加すると見られる。外部活用を進める企業は、イノベーション案件に関する支出を変動費として捉え、従来型システムについてもより短いサイクルでの評価・検証を行う傾向にある。大型契約による受託開発や運用アウトソーシングを手掛けるSIベンダーは、ポスト2020に向けてその動向を注視することが求められる。

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内山悟志
[ITR会長/エグゼクティブ・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。2019年2月より現職。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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