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「百聞は一見に如かず」が現実に
画像技術のビジネス活用で優位に立つ

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第85回】 2018年10月19日
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百聞は一見に如かずというように、長々と細かな説明を聞くよりも、実際の状況を目で見る方がはるかに理解しやすいということは多い。表現力に富んだ動画や映像を活用して、ビジネスや業務を大きく変革させたり、これまでできなかったことを実現したりする動きは、今後あらゆる業界で広がってくると予想される。

すでに多方面で活用される動画データ

 情報を伝達する手段として、現場での直接的な口頭・目視、文章や図・写真などによるドキュメントなどに代わって、動画や映像が用いられる機会が増加している。これには、大容量記憶装置、高速データ通信、スマートデバイスなどの技術的な進展や普及が寄与している。録画しておいた動画をビジネスで活用する動きはすでに多方面で試みられている。説明を要する複雑な情報を伝達する際に、動画は直感的で非常に表現力に優れており、プロモーション、マニュアル、顧客サポート、教育などさまざまな分野で利用されている。料理レシピなどでも、文章と写真による説明よりも動画が好まれるようになっていることからも、動画の説明的表現における優位性が理解できるだろう。

 一般消費者に対して、企業メッセージや製品・サービスの優位性をよりわかりやすく伝えるプロモーション分野では、多くの企業がWebサイトに何らかの動画を掲載している。また、機器などの設定や操作の方法を説明するといった顧客サポート分野での活用例も多い。さらに、企業内においても、遠隔教育や熟練者の作業手順を教えるなどの技術継承や人材育成にも活用されている。海外工場において、作業マニュアルを映像化しタブレット端末で指導するといった活用によって、業務効率と作業品質の向上を果たしたなどの事例も報告されている。しかし、動画は一方向の情報伝達手段であるため、文書や静止画像の代替としては有力だが、対話的な場面には向かない。

リアルタイム映像の活用への期待

 昨今では、リアルタイム映像をビジネスに活用する事例も増えている。1つの用途として、動画と同様に主に一方向の情報伝達ではあるが、監視や状況確認の分野でリアルタイム映像を活用する例があげられる(図1)。カメラの高解像度化やネットワークの高速化などにより、より精細なリアルタイム映像を遠隔地で確認することが可能となっている。また、4K対応のネットワークカメラ、5G通信の活用などにより、広域や高所など監視対象が拡大している。さらに、ドローンやロボットなどに搭載したカメラを使い、これまで撮影できなかった高所や危険な場所の撮影も可能となってきている。図1の前半の4つの事例がこれに当たる。また、現場の映像をライブ中継し、センターなどの遠隔地から指示を与えるといった、双方向の活用も見られ、図1の後半の4つの事例がそれに当たる。

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内山悟志
[ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。現在は大手ユーザー企業のIT戦略立案・実行のアドバイスおよびコンサルティングを提供する。

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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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