中国語やハングルが書かれた旗を掲げて客を呼び込む商店街Photo by Hiroaki Miyahara

在日中国人“100万人”時代は間近──。2000年時点で32万人だった在日中国人は、今やその3倍近くにまで膨れ上がりました。変わったのは人口だけではありません。その中身もまた、多くの日本人のイメージを打ち壊すほどに変貌しています。富裕層から裏社会まで、中国という国家の“縮図”ともいえる、在日中国人社会の今に迫ります。(本記事は週刊ダイヤモンド2018年7月7日号からの抜粋です)

「日本人の在日中国人に対するイメージは、10年前のもの」──。

 そう指摘するのは、『中国人エリートは日本をめざす』(中央公論新社)などの著書を持つフリージャーナリスト、中島恵氏だ。

「在日中国人の実態は、年々分かりづらくなっています。なぜなら人数の増加だけでなく、さまざまな職種に進出し、質が高まっているからです。つまり『高度化、細分化、多様化した』ことで、在日中国人の社会で起きるあらゆる問題が彼らだけで解決できるようになりました。そのため、その外側にいる日本人の目に見えにくくなっているのです」(中島氏)