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国内ベンチャーに業を煮やし
公募型研究に走る製薬各社

週刊ダイヤモンド編集部
2012年5月23日
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第一三共の公募サイトは6月から第2回の募集を開始(上)。アステラス製薬は半年をめどに募集テーマを更新する

 国内製薬大手の間で「公募型共同研究」なるものが流行している。国内の大学や公的研究機関の研究者を対象に新しい医薬品を創るための共同研究を公募する もので、2007年に塩野義製薬が先駆けて開始し、11年には第一三共とアステラス製薬がインターネット上で公募サイトを立ち上げた。

 武田薬品工業も近年、国内の展示会ブースで共同研究を募るようになり、エーザイは募集先をある程度限定する“半”公募型について今年度の実施を検討している。

 製薬大手はこれまでも国内の有力研究者たちと共同研究を行ってきた。なぜ今、「公募」なのか。最大の理由について製薬大手首脳は「国内のバイオベンチャーが育っていないことにある」と明かす。

 製薬大手はかつて自社の研究所で新薬を創る種を生み出していたが、開発競争が激化して“自前主義”では手に負えなくなった。10年前後からは各社の売り上げを支えてきた主力品が特許切れラッシュを迎え、早急に次の稼ぎ頭を手に入れる必要にも迫られた。結果、外部の種をめぐって熾烈な争奪戦が繰り広げられるようになった。

 各社が押し寄せた種の在りかは米国のバイオベンチャー。世界製薬大手の中には自社の研究所を次々に閉鎖し、米バイオベンチャーやその開発候補品を買いあさっているところもある。日本勢も買収額がつり上がる中で数百億円、数千億円を投じて会社丸ごと、あるいは候補品単位で買収している。米バイオベンチャーの出口戦略にはIPO(新規株式公開)とともに製薬会社による買収が定着した。

 一方で国内のバイオベンチャーは振るわない。リスクマネーが不足して資金調達が困難になり、有能な人材も足りない。事業を継続できなくなるベンチャーが相次ぎ、2000年代前半のバイオベンチャーブームは冷え込んでしまった。

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