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特集デジタル時代のマーケティング戦略2011
国勢調査で発掘! 東京23区お役立ちデータ
【第4回】 2012年6月5日
著者・コラム紹介バックナンバー
池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長],小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員],一般社団法人東京23区研究所

賃貸か所有か、マンションか戸建てか、
東京23区「居住形態相関データ」
今も変わらぬ「賃貸マンションこそ、東京の住まい」

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 アメリカ人は、生涯で14回引っ越しをするという。数字の真偽はともあれ、アメリカ人にとって住宅とは、その時々のライフサイクルを彩る舞台装置に過ぎない。かたや日本人にとって住宅はかけがえのない城だ。そのため国勢調査でも住宅の調査に大きな力点を置いている。

賃貸マンション王国
新宿区

 住宅。そう聞いて思い浮かぶのは、一戸建て持ち家、分譲マンション、賃貸マンション、賃貸アパートの4つだろう(注)。東京23区でも、これら4タイプの合計で85%に達する。

  では、いちばん多いのはどれか? 全国平均では一戸建て持ち家が52%と過半を占めるが、東京23区の一戸建て持ち家比率は24%しかない。分譲マンションが19%。賃貸アパートが14%。最多は賃貸マンションの28%。賃貸マンションの全国平均値は13%だから、2倍を超える。賃貸マンションこそ、東京の住まいを代表する形態だということができる。

  なかでも新宿区は、賃貸マンションの割合が45%。2位以下と比べて頭一つ抜けている。さらに、賃貸マンションが多い区は分譲マンションも多いという一般的な傾向がある中で、新宿区は分譲マンションの割合が16位に止まる。賃貸マンションだけが飛び抜けて多い「賃貸マンション王国」である。

  賃貸アパートは、杉並区(26%)と中野区(24%)がトップ2。以下、世田谷、練馬、豊島、江戸川、目黒、板橋と続く。こう並べてみると、江戸川区以外はすべてに共通項がある。山手通りと環七に挟まれたエリアを擁する区ばかりだ。

 このエリアは、かつて「木賃ベルト地帯」と呼ばれ、地方から東京に流入してくる人たちに住まいを提供する木造賃貸アパートが集中していた。「○○荘」などと名づけられた純木造のアパートは、今やほとんど姿を消しつつあるが、「木賃ベルト地帯」の伝統はしっかりと受け継がれている。

【図1】賃貸マンション居住世帯の割合 2010年
  資料:総務省統計局「国勢調査」より作成
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(注)賃貸マンションと賃貸アパートの区別には明確な定義がない。本稿では、国勢調査から入手できるデータとして、民間賃貸の共同住宅のうち3階建て以上のものを「賃貸マンション」、1~2階建てのものを「賃貸アパート」と呼ぶことにする。
 
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池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長]

一般社団法人東京23区研究所所長。東京大学都市工学科大学院修士修了。(財)東京都政調査会で東京の都市計画に携わった後、㈱マイカル総合研究所主席研究員として商業主導型まちづくりの企画・事業化に従事。その後、まちづくりコンサルタント会社の主宰を経て現職。

小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員]

一般社団法人東京23区研究所上席研究員。1978年より財団法人・東京都政調査会研究員、都市問題・自治体政策の研究に従事。87年より中央大学社会科学研究所・客員研究員、多摩地区の地域開発研究に従事。その後、フリーを経て現職。

一般社団法人東京23区研究所

東京23区をさまざまな角度から調査・分析している。マーケティングレポートなどを発行。HPはこちら


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