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新・特許ウォーズ

日本の9大学が特許を丸投げ!
「インテレクチュアル・ベンチャーズ」の正体

週刊ダイヤモンド編集部
【第1部】 2008年6月18日
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特許を転売して利益を稼ぐブローカーは世界にあまた存在するが、世界中の特許を買い漁り、ライセンスするビジネスは、並の力量では成立しない。そこにスーパースターが集結した米ファンドが台頭した。その目的は権利の乱用か、イノベーションの創発か。

大学の給与水準を考えれば
契約内容は「悪くない」

 昨年秋、東京大学工学部のある著名教授の元に、聞きなれない社名の企業から、面会を要請する電話が入った。接触してきたのは、米インテレクチュアル・ベンチャーズ(IV)の日本オフィスの幹部だった。

 IVは、マイクロソフトの元CTO(最高技術責任者)のネイサン・ミアボルド氏らが2000年に創設、特許に投資するファンドを運営しているが、その実態はベールに包まれていた。

 東大教授は、IVが自分の紹介者として学会のビッグネームを挙げたため警戒心を解き、米国本社の幹部を含む数人を、研究室に招き入れたのだった。

 「研究者も正当な経済的価値を得ることができる」「あなたの発明を他の発明と組み合わせることによって、より大きな経済的価値を生み出す」「あなたの時間の一部を収入をもっと上げることに使ってはどうか」――。彼らはそう説明し、具体的な契約メニューを一つひとつ紹介した。

 ひとつ目は、技術ロードマップの共有や発明テーマと課題の設定に加え、IVが着目した発明・特許に対する評価などを行なうコンサルティング業務。ふたつ目は、IVによる特許の買い取り、あるいはIVへの専用実施権の付与である。前者の場合は、コンサルティング料を受け取る。後者の場合は、特許の代金と、その特許を外部にライセンスした場合に発生するロイヤルティの一部が手に入る。ちなみに、1件当たりの買収予算額は、安いもので2万~3万ドル、高いものでは100万ドルに設定されていたという。

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産業構造が大きな変化を遂げつつある中、“特許”の持つ意味が変わろうとしている。日本・アメリカ、特許の地殻変動の行方を追った。

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