私の知っている限り、そのころから記者クラブメディアのやり口は一向に変わっていない。そう、アンフェア、いや卑怯な手法で自らの正当性を求めるのに必死なのだ。だがもちろんそれは欺瞞に満ちた正当性だ。

 私は朝日新聞を読んですぐ、おしどりのマコさんとケンさんの顔が浮かんだ。

 彼女たちが、今回の朝日新聞のスクープ記事だという情報をDOE(米国エネルギー省)のサイトから発見したのはもう半年以上も前のことである。オバマ大統領がコミットメントを発表し人道的見地から詳細なデータの公開を決めたのは昨年10月のことだ。

 当時、彼女たちはすぐにその詳細な生データを政府対策統合本部の記者会見でぶつけた(簡易情報はすでに震災後の3月にDOEで公開が済んでいた)。驚いたことに彼らはその情報を知らなかった。そのやり取りをおしどりさんの当時の連載コラムから振り返ってみよう。

半年前に記者会見で
質疑されていたデータの存在

 〈11月14日の統合対策室合同会見にて。

 ――前回、DOEのデータを文科省として手に入れられたかどうか、というのをお聞きしましたが、10月21日にNNSAのほうで恐らくDOEの生データをホームページ上で公開しておられます。それは入手されてご覧になっておられますでしょうか。

 それは本当に生データですのでものすごく見づらいものになってますが、それは何か分かり易く解析などはされてるのでしょうか。宜しくお願い致します。

 文科省・伊藤審議官「おしどりさんからご指摘のDOE のホームページ確認させていただきました。あの、今回の公開されてるデータというのは一つは空間線量のデータ、もう一つはダストのデータ、それからあの、土壌のデータ、もう一つは画像データでして、いわゆる航空機モニタリングによってサーベイしたところを――まあ以前からホームページにも載ってたかと思いますけれども、ま、そういうようなデータがありました。で、それは全て文科省として入手していたものではありませんので、改めて今、原子力研究(開発)機構のほうでどういう活用ができるのか、内容についても精査していただいてるところであります」