川上史人(マイシュアランス社長)川上史人(マイシュアランス社長) Photo by Masaki Nakamura

「保険はお守りのようなもの」──。保険の加入を勧める現場で、押しの一手としてこれまで使い古されてきた言葉だが、それをまさに地でいくかのような商品が今年3月、産声を上げた。

 名称は「贈るほけん」。家族や友人にお守りを贈るように、保険料数百円の保険を、好きな相手にプレゼントすることができるという業界初のサービスだ。

 最大の特徴は、手続きの全てを対話アプリ「LINE」で完結できること。保険を受け取った相手は最短で60秒程度の加入登録を済ませると、簡易な補償を受けることができる。

 第1弾となる商品は「地震のおまもり」。受け取った人の居住地域で震度6弱以上の地震が発生した場合、食料品の購入費用や損傷した家財の補償などとして、1万円を保険金として支払う商品だ。

 地震発生からアプリを通じた請求の案内までに5分程度、案内を受け取ってから保険金を請求し入金するまでに、最短10秒で完了するという。

 損保ジャパン日本興亜とLINEの子会社が共同で開発した商品で、保険の引き受けは損保ジャパンが今年3月に開業させた、マイシュアランスが担う仕組みになっている。

「保険に縁遠い若い人たちとの接点を、どう効果的に増やしていくか。(若者に)身近なLINEと組むというのは、ごく自然な流れだった」

 マイシュアランスで社長を務める川上史人は、商品開発の経緯をそう振り返る。