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山崎元のマネー経済の歩き方

個人向け国債の売り方を考える

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第232回】 2012年6月25日
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 財務省は、昨年末から東日本大震災の復興資金に充てるとして、個人向け国債を「個人向け復興国債」と名付けて販売してきた。しかし、この復興国債は、販売が低迷しており、目標額に届いていない。このため、人気アイドルグループのAKB48や女子サッカーの澤穂希選手などを順次PRに起用するという。彼女らを起用する財務省の担当者はさぞ楽しかろうが、「ボンド・ガールズ」の費用対効果はどうなのだろうか。

 一方、内外の機関投資家には日本国債の買い手が多く、本稿執筆時点で、10年債が0.8%程度の利回りだ。個人向け国債が、個人投資家に不人気な理由は何か。

 まず現在の低金利が、運用として採算が合えばいい機関投資家にとっては十分魅力的でも、かつての金利水準を覚えている個人にとって魅力的に映らないことがある。

 また、端的にいって、金融機関は個人向け国債を熱心に売らない。個人向け国債を買いに金融機関の窓口を訪れたら、投資信託を熱心に薦められたという話をよく聞く。販売時に、2%から3%、さらに残高が維持されていれば信託報酬(1%台半ばのものが多い)の半分程度の代行手数料が入る売れ筋の投資信託を売るほうが、販売代金の0.5%しか手数料が入らない個人向け国債を売るよりも、セールスマンにとってはるかに魅力的だ。セールスマンから見ると、せっかくのお客のお金が、たったこれだけの手数料を稼いだだけで、10年債なら10年間も寝てしまいかねないのだから、大変だ。

 とはいえ、販売促進のために、個人向け国債の販売手数料を上げるというのでは、投資家のためにも、国のためにもならない。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。

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