27回目を迎える「産業交流展2024」が今年も開催される。首都圏の中小企業の実力を表す製品や新製品・新サービスが一堂に会するだけでなく、出展者と来場者、出展者同士の商談の場としても活用されている。個性豊かなブースの他にも、著名人による講演やクロストークなどイベントプログラムも多彩。忙しい経営者が時間をつくってでも来場する価値のある展示会だ。
新設の「新製品・新サービス」ゾーンなど三つの特別企画に注目
今回で27回を迎える「産業交流展2024」は、首都圏の中小企業の技術を、分野を超えて一堂に展示した国内最大級の総合展だ。
今回の見どころは三つの特別企画。一つ目は、今年度新設の「新製品・新サービス」ゾーン。「展示会の来場者の多くは、特に新しい情報を探しに来られます」(実行委員会事務局)。そこで、3年以内に発表した新製品・新サービスを紹介するゾーンと位置付け、首都圏の最新技術の他に全国からの最新技術も一堂に展示する。
二つ目は、「企業交流・支援」ゾーン。ここは中小企業の課題解決に特化したエリアで、業務効率化などを実現するさまざまな技術をその場で体験し、自社への導入イメージを具体化する体験型展示スペースがある。また、海外展開、助成金活用など、「中小企業の課題解決に向けた相談ができるスペース」(実行委員会事務局)を設けているところが特徴だ。
三つ目は、「スタートアップ」ゾーン。前回も好評だったゾーンで、今回は首都圏のスタートアップ40社以上が斬新な製品・サービスを展示する。
実行委員会事務局では「この三つの見どころに加え、約700社の企業の出展と、さまざまなマッチング施策を活用していただくことで、来場者のニーズを満たす企業・製品と出合えます」と、展示会が中小企業の販路拡大、企業間連携などの促進、ビジネスチャンスの拡大、都の施策と呼応した先端技術の取り組み、中小企業支援施策の効果的なPRの場になると自信を示す。
出展者は、東京ビッグサイトとオンライン空間の両方にブースを設けるハイブリッド出展と、オンライン限定の出展に分かれる。オンライン出展が始まったのは2020年。コロナ禍と重なり、対面での商談が激減し、中小企業の経営にも大きな影響を与えたことから、この年はオンライン開催とした。その後は、リアル展示とオンライン展示の両方に出展するハイブリッド出展と、オンライン限定出展が選択できる仕組みに進化した。
「現在では、オンライン展示会はリアル展示会の『下見』としてご利用いただくことが多くなっています。リアル展示会よりも会期が早く始まるため、オンライン展示会で商談したい企業の選定を行い、アプローチを試みるなどして、リアル展示会当日に、実際の商談を行う流れが多く見受けられます」(実行委員会事務局)
オンライン限定出展の魅力は、「多忙だったり、人手が限られたりといった中小企業の方でも、時間と場所を超えて、手軽に展示会にご参加いただける」(同)ところにあるという。
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