多様なライフタイルを可能にする
同棲婚や離婚のしやすさ
今の時代は、ライフスタイルが多様化している時代です。
たとえば昔の日本には、「27~28歳で結婚して、3年くらいしたら子どもが2~3人できる。そしたら家を買って……」というような、わかりやすいライフスタイルのパターンがありました。
しかし今は、結婚をするとリスクが取りづらくなってチャレンジができないといって同棲を選ぶカップルもいます。
今回取材をした北欧でも、スウェーデンには「サンボ」、またフィンランドには「アヴォパリ」という制度があって、同棲しているカップルにも夫婦と同じ権利が認められているそうです。
その一方で、簡単に離婚ができるのも、北欧の国々の特徴。そのため離婚率はかなり高く、スウェーデンでは50%以上、フィンランドのヘルシンキでは80%ほどという話も聞きました。
「イタリアとか、カトリックの国だと離婚するのって大きなことですよね。宗教的な縛りがあまりないのと、住所が半年間別々になっていると、異議申し立てがなければ自動的に離婚が成立してしまうんです。また離婚が多いのと、離婚のときにいざこざを少なくするためか、役所が離婚したときの財産について協議書を出しておきなさいと入籍の登録のときに推奨しているくらい(協議書がないと、離婚が成立したときに平等に全ての財産を半分ずつにすることになっているので)」
森下圭子/フィンランド/コーディネーター
「日本とは違って、一方が離婚したいって言うと、自動的に離婚が成立するんです。だから子どもがいても離婚する。よくあるのは、1週間はお母さんのところ、次の1週間はお父さんのところっていうように、行ったり来たりするスタイル。しかも学校があるから、じゃあ近くに住もうかって。父親と母親がそれぞれ再婚して、2家族で一緒に何かをしたり、『プラスチックママ』(=お父さんの再婚相手)なんて言葉もあります」
大森アービッドソン光佐子/スウェーデン/コーディネーター
結婚や離婚だけをとってもライフスタイルはさまざま。そうすると、そもそもまわりと比較すること自体、あまり意味がありません。
クリスチャン・ブライバイスさんは、子どもの頃に親から、よくこう言われていたそうです。
「他の人が何を持っているかじゃなくて、自分が今持っているものの価値がどこにあるのかを意識しなさい」
クリスチャン・ブライバイスさん/デンマーク/不動産会社勤務
そう「まわりはまわりで、自分は自分」なのです。