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ワークス研究所の労働市場最前線

社会人の「学習意欲」を高めるには?
――2020年の学びとキャリア

辰巳哲子 [リクルートワークス研究所 主任研究員]
【第37回】 2012年7月5日
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 これまで、個人の学習意欲について、「授業以外で学ばない人が増えている」「詰め込み型教育が意欲を低下させている」など学校段階を中心に語られることが多かった。しかし、こうした学習意欲の低下問題はいまや社会人についても例外ではない。当研究所の調査によると「最近1ヵ月間に自分の意思で学び行為や活動を行った社会人」は5人に1人に過ぎない。また、特に深刻なのは会社を支え、引っ張っていく重要なポジションにあるはずのミドル世代における学習意欲の極端な低下である。

 本稿では、学校から社会への移行という重要な時期を過ごしている社会人初期のスターターと40代のミドル層を中心に、社会人の学習意欲低下の現状と学習意欲の醸成に向けた施策について考えてみたい。

 「やりたいこと」を明確に持って入社したのに、まったく異なる仕事をやり続けざるをえず、意欲がわかない。スキルを習得することがキャリアパスにどうつながるのかが見えない。また、事業の撤退や移転、新規の展開など、環境が激変するなかで、これまでのやり方が通用しなくなった。

 社会人の学習意欲を低下させる外的要因は多い。こうした環境に置かれたスターターやミドルに対して、どのように新たなスキルの獲得を促すことができるのか。

 こうした問題を解決するために、まず学習意欲を高めるための「動機」に着目し、グローバル社会の中で「意欲負け」しない個人をつくる施策の検討が必要だと考えた。

学習意欲を引き出す
「内容の重要性」と「功利性」

 最初に、社会人の学習意欲の現状を把握するにあたり、学習意欲とは何かを探る。教育心理学の分野では長年にわたり、報酬や賞賛・叱責といった「外発的動機づけ」と学習すること自体を自己目的的に求める欲求、つまり活動・行動自体が楽しく目的である、という「内発的動機づけ」の2つに動機づけを分類してきた。

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辰巳哲子 [リクルートワークス研究所 主任研究員]

(たつみ さとこ)1992年株式会社リクルート入社。企業における組織人事コンサルティングに携わった後、社会人向けのキャリア支援サービスの開発を行う。高校生・高卒後未就業者のキャリアカウンセリングに携わり、2003年4月より現職。中央教育審議会 キャリア教育・職業教育作業部会 委員(2009~)、国立教育政策研究所 キャリア発達にかかわる諸能力の育成に関する調査研究協力者会議 委員(2010~)、秋田県高等学校キャリア教育調査研究 委員(2008~2010) など


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超就職氷河期、非正規社員の比率の高まり、社内教育制度の限界など日本の労働市場は、大きな転換期にある。労働市場の研究所として名高いリクルート社のワークス研究所の研究員が、就職、転職、キャリアパス、制度問題など、労働市場を360度の視点から縦横に分析する。

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