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ワークス研究所の労働市場最前線

「企業の採用難」というのは本当?
「就職難」だけではない採用の実態

徳永英子 [リクルート ワークス研究所 研究員]
【第34回】 2012年5月24日
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 「就職が厳しい」「就職氷河期はいつ終わるのか」

 このような声が、聞かれない日はない。その一方、企業側からは「採用が厳しい」との声が上がる。

 どちらかというと買い手市場であり、企業有利と思われているのだが、実は企業側は採用難であるという現実もあるのだ。

 何故か。ワークス研究所では、2011年4月入社者についての、採用計画(予定)数、内定総数(延べ人数)、採用(実績)数や、内定出しの開始および終了時期等についての調査を行った。この調査結果で、採用の厳しさが垣間見られたのだが、その理由について、探っていきたい。

予定通りにいっていない
「採用」の実態

 新卒者を何人採用するかの予定数を「100」とした場合(図表1)、内定をどのくらい出したかを示す内定総数は104.8と、予定数よりも多く内定を出していることがわかり、特に、従業員規模が大きい企業ほど内定を多く出している。また、どれだけ採用したかの採用数は82.6と、100を下回っていることがわかる。

 つまり、採用予定より多く内定を出しているにもかかわらず、予定通りに採用できていない実態が明らかとなったのである。

 より多くの内定を出しているにもかかわらず、採り切れていない状況の背景には何があるのか。企業から、「応募者の数が少ない」「応募者はある程度いるが、基準に合う者が少ない」などの声が聞かれるが、「内定式後に、辞退を申し出られた」など、内定辞退の問題についての声も決して少なくない。そこで、「内定辞退」がどのような状況になっているか、見てみよう。

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徳永英子 [リクルート ワークス研究所 研究員]

(とくなが ひでこ)人材採用関連事業の商品プロデュース部署にて、中途採用・新卒採用における、企業・学生の採用・就職活動動向に関する調査・マーケティングを担当。2001 年 4 月より現職。
リクルート ワークス研究所ホームページ


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超就職氷河期、非正規社員の比率の高まり、社内教育制度の限界など日本の労働市場は、大きな転換期にある。労働市場の研究所として名高いリクルート社のワークス研究所の研究員が、就職、転職、キャリアパス、制度問題など、労働市場を360度の視点から縦横に分析する。

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