優秀なアジア人材に共通する5条件

 彼は際立って優秀な人物ですが、アジアには彼と同様に優秀な人材がまだまだたくさんいます。そんな優秀人材に共通的な特徴を5つ、挙げてみたいと思います。

【優秀なアジア人材の共通項】
1. マルチリンガル
 母国語以外に2ヵ国語、3ヵ国語は当たり前。文字どおりのコミュニケーションツールとして言葉を駆使することができる。

 2. ネットワーキング力
 信頼できる独自のネットワークを常に各国に張りめぐらしている(特に華僑は顕著)。一般的にアジアの人材は転職が多い傾向にあるため、以前の同僚とのつながりを大切にしている。

 3. 得意技がある
  自分の得意分野が何かをよく認識しており、組織の中でつねにそれをアピールしている。また、お互いの強みと弱みを補い合える「ギブ・アンド・テイク」の関係を意識しながら行動することに長けている。

 4. 旺盛な向上心
  国境に関係なく、世界中から良いものを積極的に取り入れる気概と好奇心を備えている。

 5. スピード
 電話1本で即断することもしばしば。スピードはビジネス上の重要ポイント。

 これらに加えて、クライアントの要望に見合う解決策をすばやく提示する問題解決能力の高さ。こうした能力を持ち合わせることで、彼らは優秀な人材がひしめくビジネス環境で成果をあげているのです。

 多民族の集積するアジアで成功している人に共通する特性は、これからのグローバル社会を生き抜く重要なヒントになります。この点を踏まえて、次回は私たち日本人が今後どのようなキャリアパスを視野に入れていけばよいのか、という点について考えていきます。

※次回は7月19日(木)配信予定です。